文・縦鳥千波
雀魂-じゃんたま-は2020年11月には登録者数250万人を突破している、今最も勢いのある麻雀アプリである。
そんな数多の雀魂プレイヤーの中でランキングTOP100のプレイヤーのみが参加できる大会がある。それが四象戦 夏の陣、秋の陣、冬の陣、春の陣(開催順)である。
今日まで、季節を司る四象(朱雀、白虎、玄武、青龍)の名を冠する、4人の優勝者が決まっている。では、「四人の中で誰が一番強いのか」、そう思うのは自然の理だ。
2021年4月17日
この日、四象戦歴代優勝者4人が集まった。
雀魂最強の座「麒麟位」をかけて神々の戦いが開催されたのだ。
強者4名とは
四象戦を振り返りつつを4人を紹介していこう。
まずは最初に開催された夏の陣、優勝は「ずらまる」。
放銃率がわずか8%代ととても低く、粘り強いのが特徴。準決勝、持ち点わずか100点からの復活劇をみせ、痛烈な印象をのこした。秋の陣でも準優勝をし、確かな実力を証明してみせている。
秋の陣の優勝者は「鴨神にゅう」。
雀魂公認プレイヤーの世界最強麻雀AIバーチャルYouTuberということで知っている方も多いのではないだろうか。特徴は完璧を追及する麻雀で、細かい差の選択も妥協なく考える部分である。また、差し込み、赤切り、先切り、ブラフ、なんでもするのも特徴である。
冬の陣の優勝者は「てんてん。。」。
特徴は24%をこえる高い和了率である。決勝でも手数の多さをみせつけ6万点を大きく超えるトップをとり、完勝をはたしている。
春の陣優勝は「raindea」。特徴は押しの強さである。打点をみた手組ををして一度テンパイすると簡単には降りない。春の陣決勝でもトップ目から七対子で押し続けたり、リーチのみのカンをすぐにリーチして一発ツモするなど、勝利をもぎ取るような強気な選択が印象的であった。
このように4者4様の強者がそろったわけだ。
麒麟戦は半荘を3回行い合計点を競うことになる。
一回戦東1局、いきなり悲劇が
東1局待ちで先制テンパイをいれたraindeaだが、役は平和のみで、ドラがみえておらず、は5枚切れてしまっており、待ちが悪い。リーチしにくいところだ。
そこへ鴨神にゅうが追っかける。1対2と打点も待ちも鴨神にゅうが有利だ。
しかしなんと海底で鴨神にゅうが最後の赤をつかみ、7700の放銃となってしまう。これには解説の土田もこの表情だ。
raindeaの手筋がすごい!!
東3局、南家のraindeaの手はどの打点をみるのか、あるいは広さをとるのか難しいところだ。
raindeaはを選択。トップ目ということもあり、広さをみては残しておきたい。
次巡、がでるとこれをポンして打。役牌バックにし安牌をかかえつつ、打点もみつつ、ネックを解消するための一打。
さらにが鳴けると、も切ってしまう。大幅に速度は落ちてしまうが、なんとraindeaはトップ目からドラを使いきる選択をとった。
麒麟戦のルールでは2-3-4位間の1着順の差が1万点ぶんしかない。ただトップをとるだけでなく素点も大事ということだ。ここでもraindeaらしい強気な選択が伺える。
なんとこの選択が大ハマり。2人のテンパイをかわし、7700をあがることに成功する。この7700をあがれる人は少ないのではないだろうか。思わず解説の土田も天を仰ぐ。
鴨神にゅうの繊細さ
南3局
ラス目で後がない鴨神にゅうはポンから発進。
このラス親は10連荘くらいしてやるという気持ちでやっているだろう。
そこへ下家からリーチがかかる。も通りそうなところではあるが、鴨神にゅうは冷静にを選択。ここからのメンツができても他の牌を切り切れないという判断か。
が4枚みえ、何も考えずを打ってしまいそうなところだ。
しかし、最強麻雀AIこと鴨神にゅうはを選択。どちらも両面にはあたらないが、愚形のあたりやすさに差がある。
はからの切りリーチで当たる可能性があるが、からを切ってリーチしていることはないだろう。
細かいところだがサボらずにやるあたりAIらしい選択。
トップ目のraindeaが早い役ありテンパイをいれたとこへすぐにが出てトップを決める。これまで素点にこだわってきたraindeaだが、三色変化やすべてのドラの受け入れがあり、素点の意味でもダマテンとしたのだろう。1回戦目を終えてこのような結果となった。