【渋川難波】麻雀番組で強くなれ【第14回】多井隆晴

その14 考えるべき局面ではサボるな

前回のコラムでは、考えることを放棄することも大事だよ!という話をしましたが、今回はその真逆です。
放棄して脳を休める時がある分、その休めた脳は考えるべき局面に使う必要があります。
今回は、サボらないことの大事さを伝えていこうと思います。
それでは早速例題にいきましょう。
「鉄壁の守備力」を誇り、サボるとは最も無縁の多井選手。この局面で、何を考え何を切ったでしょうか?

※前原選手は、をチーして打。カンタンヤオ赤1テンパイ。はリーチ者がを切っていて前原選手がを通しているので、中筋。

 

解答

 

解説
さて、それでは状況を整理しましょう。
まず、自身はカンタンヤオ赤1テンパイです。そして切りたいは、リーチ者がを切っていて前原選手がを通しているので、中筋となります。
この情報だけ聞くと、「くらい、いいか」と軽い気持ちでを切ってしまう人も多いのではないでしょうか?
しかし、多井選手はキッチリとを切ってオリを選択しました。
その理由を語る前に、まず多井選手のこの局についての第一声を紹介します。
「前原さんの手は、想像したのと一枚も違わなかったよ」
これを聞けば、何故を切らなかったのかはもうお分かりですね?
そうです、「親の前原選手を警戒していた」ということです。
それでは、ここで前原選手について考えてみましょう。


①よく見ると、リーチに対してほとんど無筋しか切っていない
②チーしてさらに無筋も切っているし、ドラまで押しているのでテンパイはほぼ確実
③しかしタンヤオだとするとあまり高くなくて、も通ってるのでタンヤオにはあまり当たらない
④しかしタンヤオじゃないとすると、役牌アンコのは十分ありえる。
⑤そして押し方を見ると、ドラを持ってない2900ということは果たしてあるのか?と考える
⑥ドラのは切ってるものの、だとするとを切りそう。

も同様。

つまり、役牌アンコのだとすると、高い可能性も十分ある

ということで、自分の手はテンパイとはいえ、2600のカンチャン待ち。親の高そうな仕掛けにこの危険牌は押せない!となったのです。
大前提として、リーチだけじゃなく、親の仕掛けのことも考えます。
そして、そこから打点や待ちを考えて、総合的にこのを押すのが得かどうかを考え、その結果これはいけないなとオリたのです。
ちなみに、前原選手の手はこうでした。

軽い気持ちでを切っているととんでもないことになっていたでしょう。
こういう牌をしっかり止めることが、上級者になるためには大事なことですので、皆さんも意識するようにしてみるといいでしょう。
それでは、また!

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