麻雀星人対策委員会【Mリーグ2022-23観戦記12/13】担当記者:越野智紀

麻雀星人対策委員会

文・越野智紀【火曜担当ライター】2022年 12月 13日

第2試合

東家:村上淳(赤坂ドリブンズ)
南家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
北家:勝又健志(EX風林火山)

日清食品とのコラボ企画で多井選手が麻雀星人になったので、地球を守るためにこの宇宙人の麻雀を分析したいと思います。

今シーズンも地球人を倒し続ける麻雀星人は、この試合開始前の段階でアガリ率が26.36%と全体の2位。
正確無比の攻撃を誇ります。

東3局

勝又選手の【8ソウ】はツモ切りなので場況的には【3ソウ】【7ソウ】の差はあまりないのですが、【4ソウ】【3ピン】と引けば234の三色が見えるので【7ソウ】切り。
ここら辺の判断は麻雀星人の住んでいる場所では常識問題です。

地球人的には【4マン】を切るか【8マン】を切るかが悩ましいところでしたが、麻雀星人は【4マン】切り。
それぞれ裏目の【5マン】引きと【7マン】引きの時にフリテン三面待ちが残る【4マン】切りを良しとの判断です。

想定内の裏目ツモにも涼しい顔して【8マン】を切ると

ツモ【4ソウ】でフリテンリーチ。

ピンフもついて裏が乗ればハネ満になるところでしたが、裏は乗らず。
日常生活では決して使わない低音ボイスでの4,000オールが卓上に響きます。

麻雀星人の特徴で会心のアガリが出た時は低音ボイスになることと、喜びを押し殺した表情が出ます。

南1局

自信があったカン【2ソウ】が埋まってしまい、やや御不満なペン【7ソウ】テンパイの麻雀星人。
早い巡目の役無しドラ1で、親の村上選手がマンズに寄った捨て牌ということをプラス材料にしてリーチに踏み切ります。

マンズ染め途中の村上選手の右端に【7ソウ】がセットされていましたが

ズバッとカン【8ソウ】が埋まりカン【8マン】の追っかけリーチ。
山には【8マン】【7ソウ】が1枚ずつと五分の勝負でしたが、丁半博打は好まないのが麻雀星人。

表情が見る見る渋くなっていきます。

ラス【7ソウ】を引き当て、安堵の声で1,000・2,000のアガリ。
本日2度のリーチを両方ツモアガリして精度の高さを見せました。

麻雀星人の最大にして最強の特徴として守備力の高さがあります。

麻雀の守備の能力は大きく分けて

園田選手のように常に前線に顔を出しつつ追い詰められたところから通る牌を捻りだすタイプと

多井選手のように事前に危険な部分を見極めて先に処理していくタイプの2通りがあります。

この試合で多井選手は8度のリーチを受けましたが、それに対して切った無筋は1牌だけ。
筋の牌も1牌で残りは全て安全牌でした。
切った1牌の無筋も自身がリーチを打った後の牌なので、多井選手の準備力の高さが伺えます。

その準備力の極端な例が次にピックアップした局で

南4局1本場 供託1本

多井選手の配牌です。

ここでそれぞれの持ち点状況を確認すると

勝又 24,600
村上 17,700
伊達 21,900
多井 34,800

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