Mリーグドラフト2021、セガサミーフェニックスの一手は? 吉野慎一新監督インタビュー
セガサミーフェニックスは新シーズンに臨むにあたり、和久津晶の契約満了、そして監督交代と、大きく体制が変わった。新監督には、セガの運営するネットワーク対戦型麻雀ゲーム「セガNET麻雀 MJ」にて総合プロデューサーを務める、吉野慎一氏が就任。吉野新監督にとって最初の大仕事となる8/2のドラフト会議を前に、お話を伺った。
-まずは、吉野監督の自己紹介からお願いできますか。
吉野慎一と申します。東京出身の47歳です。新卒からセガ一筋でやってきて、家庭用からアーケード、ビデオ、メダルゲーム、PC・スマホと、いろいろなゲーム開発に携わってきました。いわゆるゲーム開発者で、ここ10年くらいはプロジェクトリーダー・プロデューサーとして仕事をしてきております。
麻雀は昔から大好きで、小学校の頃にテレビゲームで麻雀を覚えて以降、PCの麻雀ゲームなどを経由して、雀荘にも行くようになりました。学生時代はいわゆる「麻雀バカ」と言いますか、友人4人が集まったらそのまま雀荘に行くほど、麻雀ばかりやっていました。
Mリーグに関しては、2018年のドラフト会議に出席していました。以来、Mリーグには何らかの形で常に関わらせていただいてはいたのですが、今回は監督として表に出ることになりました。
-今回、セガサミーフェニックスの新監督に就任された経緯については。
4月に高畑前監督の異動が決まり、MJシリーズの総合プロデューサーである自分に声がかかった、という形になります。Mリーグはファンとしてずっと見ていて、特にフェニックスの試合は全部見ていました。昨シーズンは残念ながら最下位になってしまい、何か自分にできることはないかと思っていたタイミングでお話をいただいたので、これはぜひ力になりたい、状況を打破したいと思いまして、やらせていただくことになりました。
-現状、セガサミーフェニックスは4人目の枠が空いていますが、ドラフトで新たな選手は獲得しますでしょうか。
はい、4人目を獲得する意向です。
-4人目で獲得する選手については、実績や年齢、性別など、どんなところを重点的に考えて選考を進められたのでしょうか。
基本的には、セガサミーグループのグループミッションである「感動体験を創造し続ける ~社会をもっと元気に、カラフルに。~ 」という理念に沿った方を考えています。実績や実力はもちろん考慮しながらも、セガサミーグループはエンタテインメント企業でもありますので、エンタテインメント性や発信力、影響力なども含め、総合的に選考していきたいと考えています。
-セガサミーフェニックスは初年度から女性の多いチームで、昨年までは男性1人女性3人という編成でした。今回も女性の選手を獲得するような意向はありますでしょうか。
ドラフト直前ということもありちょっと言いづらいですね。チームとしては、特に性別、年齢にこだわりはありませんので、8/2のドラフト会議を楽しみにしていただければと思います。
-MJに出られているプロがある程度有力な候補になるのでしょうか。
MJに参戦していただいているプロの方に関しては、情報やデータ、MJでの参戦状況などは逐一見ております。ただ、もちろんMJも考慮に入れてはいますが、基本的にはセガサミーグループ全体の視点で考えています。グループ全体への影響を踏まえ、ファンの方をワクワクさせるような対局やコミュニケーションが期待できるか?を重要視しています。MJはセガサミーの中でも一つのエンタメコンテンツではあるものの、グループ全体ではいろいろなエンタメがありますので、総合的に見て、という形になります。
-発信力のある方と言いますと、元乃木坂46の中田花奈プロ(日本プロ麻雀連盟)など、芸能界で人気のあった方が麻雀界に入ってきています。そういった方を指名候補に考えることもあるのでしょうか。
いろいろ条件はあると思いますが、中田さんに関しては非常に影響力のある方だという印象はあります。そういう方に関しましても、候補の中にはもちろん入るかなと思っています。
-ドラフトの指名順が発表され、セガサミーフェニックスは最初に指名できることになりました。現時点で(※取材日:7/30)既に指名する選手は決められましたか。
本当に魅力的な方が多く、悩みに悩んでいます。実のところ、まだ何名かに絞っている状況で、候補の数名の中から、直前まで考えたいと思っています。
-今シーズンのオフの話題として、EX風林火山さんのオーディションがあり、松ヶ瀬隆弥プロ(RMU)が優勝されました。実績・実力は間違いない中で、セガサミーフェニックスが松ヶ瀬プロを指名することも順番的には可能ですが、そのあたりはいかがでしょうか。
松ヶ瀬プロはオーディションで見事に結果を残されましたし、またプロ雀士としても非常に個性的で魅力的な方だという印象はあります。EX風林火山さんの方で「なるべく指名しないでね」みたいな話は出ているにせよ、そういった魅力的なプロの方に関しては、指名の可能性がないとは言えないのかな、というところです。
-選手選考については、最終的にはどういうところを決め手とするのでしょうか。
麻雀の力はもちろん、やはりセガサミーグループは常にいろいろなエンタテインメントをお客様に届けよう、発信しようとしているグループ企業なので、本人のエンタテインメントに対する前向きな気持ち、そしていろいろな発信力や影響力がある方を重要視したいところはあります。
-最後にファンの方々に向けて、ドラフト・新シーズンへの意気込みをいただけますか。
昨シーズンはファンのみなさまには非常に悔しい思いをさせてしまったというところが、やはり大きな反省としてあります。来シーズンは新たに心機一転、「挑戦」という言葉をキーワードに、2021シーズンでより挑戦的に戦っていくことによって、みなさまに共感していただけるような試合をしていきたいと思っております。また、コロナ禍が続いていてなかなかファンサービス、ファンミーティングのようなものもできていなかったので、2021シーズンに関してはそちらにも積極的に取り組み、ファンのみなさまに喜んでいただけるような施策をどんどん提供して、ファンの皆様と一緒に来シーズンの優勝を目指して頑張っていきたいと思っております。引き続き応援のほどをよろしくお願いします。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。