内に秘めた闘志 紙一重の勝負を分けたのは 内田みこが最後まで貫いた姿勢 #麻雀最強戦2022 【 #女流プロ令和の乱 】観戦記【決勝卓】担当記者 #後藤哲冶

内に秘めた闘志
紙一重の勝負を分けたのは
内田みこが最後まで貫いた姿勢

【決勝卓】担当記者:後藤哲冶 2022年9月17日(日)

「え?! ロン?! 河底(ホウテイ)ドラドラ!? 7700!」

いつも通りハイテンションの日吉プロの実況の声が、いやによく響いた。
その後の若干の静寂が、これが全く予期せぬ放銃だったことを物語っている。

放銃に回った内田みこは、いつもと変わらない調子で点棒を渡している。
しかし……その胸中は一体どんな感情が渦巻いていたのだろうか。

『女流プロ令和の乱』
今回の最強戦予選はそう銘打たれた。

大舞台も経験しているベテラン女流プロと、まさに令和から名を上げてきた新進気鋭の女流プロ8人が鎬を削る。
本記事ではその決勝卓の内容をお伝えする。

A卓1位通過中田花奈

A卓では満貫確定のカン【8ピン】待ちをリーチに打って出る強気なスタイルで見事勝ち上がり。
まさしく令和の乱を起こすべく、2年目のアイドルが最強戦ファイナルを目指す。

A卓2位通過内田みこ

親番で勝負に出て見事勝ち上がりを決めた内田が、2位通過。
表情こそクールそのものだが、内には静かに燃える闘志がある。
A卓はベテランの2人が敗れ、若手2人が勝ちあがるというまさに令和の乱と呼ぶに相応しい展開になった。

B卓1位通過清水香織

B卓1位通過は、ドラが手に多く入りそれをしっかりとモノにした清水。
A卓で相棒とまで呼ぶ仲の和久津が敗れた。その想いも背負って、決勝卓を戦う。

B卓2位通過川原舞子

なかなか手が入らない中、勝負所でアガリを手にした川原が、2位通過。
昨年の忘れ物を取り戻しに、川原がファイナルの舞台を目指す。

東家 川原舞子
南家 清水香織
西家 中田花奈
北家 内田みこ

東1局は内田が満貫のテンパイを入れるものの、中田が1000点でかわし静かな立ち上がり。

東2局中田に勝負手が入る。

配牌からドラが対子だった中田は、2巡目に自風の【南】を対子にして仕掛けが効くようになる。
これがすぐに内田からこの【南】が零れるが。

スルー。
この【南】に中田が声をかけることはなかった。
もちろん【南】ドラドラの3900がアガれれば有利に立てることは間違いないが、それでは勝負は決まらない。
一局戦の最強戦決勝卓だからこそ、中田はこの手をもっと高い手に仕上げる道を選んだ。
堂々たる打ちっぷり。

しかしこの局、先制リーチを放ったのは清水。
そしてそのリーチを受けて一発目の川原の手牌。

ドラ含みの3面張があって形は良いが、持ってきた【8マン】はリーチの清水には通っていない。
現物は【9ソウ】があるが……。

ここは強く押した。
現物は【9ソウ】1枚しかなく、清水のリーチはツモ切りリーチ。
愚形が出てくることも大いにある。
そしてこのプッシュが功を奏する。

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