【第2回 #雀魂 #バーチャルインターハイ 最終戦】――まだ終わらせたくねえ 伸ばした手の先に舞い降りた奇跡と現実 ああ、だから歌衣メイカの麻雀は面白い【文 #後藤哲冶 】

最終試合 歌衣メイカ×咲乃もこ×千羽黒乃×鴨神にゅう

『雀魂バーチャルインターハイ』

今年神域ストリーマーリーグで視聴者を大いに熱狂させた配信者達がもう一度集う一夜限りの祭典。
全4試合に渡って行われるこの大会も、3試合目までが終了。

ポイント状況は以上のようになった。
リードは神域リーグでも優勝に輝いたアトラス大学高等学校

しかしこの第4試合は第3試合までとは違い、ポイントがなんと倍。
トップラスでひっくり返るポイント差は実に160pt。それに加えて素点とボーナスがあるため、最下位のヘラクレスにもチャンスがある。

しかしこれは神域リーグの最終節の時もそうだったが――




最終戦を打つこの4人が、最後まで楽しく麻雀を打ち切ってくれること。
何よりもそこを大切にしてほしい視聴者は、多いのではないだろうか。

第4試合(最終戦)
東家 咲乃もこ (アキレス女学院)
南家 鴨神にゅう(ゼウス工業高校)
西家 千羽黒乃 (ヘラクレス学苑高校)
北家 歌衣メイカ(アトラス大学高等学校)

東1局

この雀魂インターハイにかける想いというのは選手全員にある。
しかしその中でも、こと「優勝」という結果を誰よりも欲している打ち手がいた。

鴨神にゅう、最強麻雀AIは、神域リーグでもただ勝利を欲していた。

「ゼウスに…… 勝利を……!」

神域リーグを戦う選手達には華がある選手が多い。
その代表ともいえる選手が、今同卓している歌衣メイカだ。

――華は無くて良い。だから実が欲しい。

これは後のインタビューでの鴨神の言葉。
これだけで、鴨神がどれだけ麻雀に懸けているかがわかろうというもの。

そしてその想いが、このインターハイの舞台で花開く。

あまりにも眩しい配牌。
ドラの【白】が使えなくとも赤が3枚という贅沢な配牌だが、形はまだ苦しい。
どう仕上げるか。会話こそしているものの、鴨神の脳は既にフル回転していただろう。

4巡目にドラの【白】を切り飛ばし、8巡目に咲乃から出た【4ピン】をチー。
【赤5ソウ】さえ使えれば7700から。

アトラス歌衣からリーチがかかる。
しかし怯むことなく、鴨神は【5マン】を押す。
2位のゼウスからすればこれはむしろチャンス。現在首位に立つ歌衣から直撃できれば、状況は一気に有利になる。

【6マン】も切り飛ばして、持ってきた【8ピン】
鴨神はここで待ち変えを選択。現状の【5ソウ】【6ピン】待ちは決して良い待ちではなく、カン【7ピン】にすればリーチ者歌衣の現物待ち。

これを千羽から捉える。
千羽もチームが苦しい立場にあるが故に、現物の【7ピン】は止められなかった。
難しい手牌を成就させ、鴨神が先手を取る。

ここから鴨神が勢いに乗る。

続く東2局

鴨神は【2ピン】を引き入れて選択。
ここは打【4マン】として三色を強く見た。
【4マン】を残して仮に【5マン】を引いても【5ピン】【6ピン】と払うことは無いが、【1ソウ】【2ソウ】のどちらかが引ければ【7マン】【9マン】を落とすことができる。

狙い通りの【2ソウ】引き。
鴨神の巧さが光る。

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