確かな情熱と、
冷静さを兼ね備えて
松本吉弘が進むは
連覇への道
文・後藤哲冶【木曜担当ライター】2023年9月21日
渋谷ABEMASは昨年の優勝チームである。
9月18日からついに開幕した、Mリーグ。
その開幕戦に登板した渋谷ABEMASの松本吉弘は、劇的な倍満ツモで逆転トップを獲得し、好スタートを切った。
松本はMリーグのオフシーズンに開催されていた、神域Streamerリーグでもチーム優勝を果たし、勢いは十分と言って良いだろう。
Mリーグには、とあるジンクスがあった。
それは、前の年に優勝しているチームは、ファイナルに行けないというジンクス。
Mリーグは6年目に突入するが、このジンクスは未だに打ち破れたチームはいない。
しかし松本はそれさえも、自分たちは破る可能性があることにワクワクしていると語る。
(渋谷ABEMAS囲み取材より)
第1試合で日向が無念のラスとなり、一時的にチームは最下位に沈んでしまった。
始まったばかりのシーズン。現在の順位に意味などほとんど無いに等しいが、それでもやはり、一番下にいるというのは気分的に良いものではないだろう。
2連覇へ向けて。
チームを上昇気流に乗せられるか。
9月21日 第2試合
東家 園田賢 (赤坂ドリブンズ)
南家 岡田紗佳 (KADOKAWAサクラナイツ)
西家 滝沢和典 (KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家 松本吉弘 (渋谷ABEMAS)
東1局は滝沢が2600のアガリで、東2局へ。
園田の手に好配牌が入る。
ドラで役牌のが暗刻になり、もトイツ。
仕掛けても十分な高打点が見える、勝負手だ。
その一方で、松本にも良い手が入っていた。
5巡目でテンパイ。とのシャンポン待ち。
立体図を見ると分かるが、がかなり良く見える。
岡田、園田両名が切りが早く、滝沢の4巡目がツモ切り。
全員の所有率が下がっており、は山にあっておかしくないように見える。
それでも、松本の判断はテンパイ外しだった。
いくら場況が良いとはいえ、これではリーチのみ。
にかがくっつけば三色もある。ここは冷静にテンパイを外した。
園田の手にが暗刻になる。
これでイーシャンテン。仕掛けても12000の超ド級の勝負手になった。
「麻雀ってこんなツモ良いことあっていいのかい?」
と言わんばかりの訝し気な表情がまた、園田らしい。
そんな園田に選択がやってくる。
を引いて、イーシャンテンの形を変えることができるようになった。
セオリーは、切り。でマンズの受けが被っており、を切ってもロスはだけで済むからだ。
しかし、園田はここで時間を使う。大きな要因として、直前に松本からの対子落としが入ったのが挙げられる。
これにより、切りによってロスになるがかなり良く見える上に、松本はほとんどの場合をツモ切ってくれるのが確定した。
つまりは、が松本か園田の所に来ればテンパイというのが魅力的なのだ。
以上の理由から、園田は切りを選択。の受け入れが減るが、その分の受け入れを増やした形だ。