(左から)
鈴木たろう 園田賢 浅見真紀 渡辺太 越山剛監督
©Mリーグ
【園田賢】
「悔しくて悔しくてしょうがないですね。Mリーグが始まってから一番悔しかったです。閉幕式でも言いましたけど、ファイナルの最後はたまたまですけど、順位変動がない、どうやっても最終順位が変わらないような状況ばっかりだったんですね。でも今回は、本当にこの一戦で全部決まるんだ、という状況だったので、プレッシャーもすごかったです。
僕、こうやってみなさんの前でしゃべったりするときは緊張するんですけど、麻雀を打つときはあんまり緊張しないタイプなんですけど、すごく緊張しました。家を出るときから緊張していて、すごく勝ちたかったですけど、負けてしまいました。
負けて悔しいですけど、会場を出たらチームのみんながいて、(浅見)真紀とかも泣いていて、今も太は泣いていて、大人がこんなに涙を流すんだ、みたいに思いました。僕は泣かんぞ、と思っていたんですけど、閉幕式で目の前にたくさんドリブンズのファンの方がいて、全国にもたくさんかどうかは分からないですけどいるんだと思いますし、そういった人たちの顔は見えないので、普段麻雀を打つときはそういうのがあんまり分からない状態で打っているんですけど、実際に目の前にたくさんの人がいて、中には泣いている人たちもいたりとか、『頑張ったね』みたいに言ってくれるのを目の前で見ると、すごく泣きそうになりました。それと同時に、この試合だけは絶対勝たなきゃダメだったな、って思いました。
年間を通して道中で後悔している部分も細かいところを含めたらたくさんあるんですけど、をあと2巡残す選択は全然あったと思いますし、残していたらラス前に2000-4000をツモっていたかもしれないので。それが本当に心残りとしてあります」
【鈴木たろう】
「今日、僕が役満ツモっていればよかったですね。リーチするか迷って、リーチしたほうがツモる回数が増えるかなと思っていたんですけど、堂岐が追っかけてくるのであれば、ダマテンで横の介入を待ってもよかったかな、っていう気持ちでした。ただ、知らないのでリーチしちゃうかな、ツモれる気満々だったんですけどね。流れ的にはツモれそうな気がしたんですけど、やっぱり流れはないらしい、そんな感じでした。
意外と、決勝の最終局とかで四暗刻で逆転勝利したことが2回くらいあるんですよ。ここでまたやるかな? と思ったんですけど、ダメでした」
-今シーズンの個人の評価は。
「レギュラーからファイナルの手前までは1000勝って首位通過して、個人でも勝っていて満足いく感じだったんですけど、最後の最後に3位となってしまい、ぽっかり穴が空いたような気持ちになってしまいました」
【渡辺太】
「ポストシーズン、セミファイナル終盤から相当苦しい結果が続いて、やっぱり自分の大きいマイナスが結果として響くことになりました。自分の最終戦も緊張もあまりなく、むしろ結構吹っ切れた感じで臨んだんですけど、やっぱり結果としては最悪の結果になってしまったので、正直来る途中も自然と涙が出たりとかもあったんですけど・・・。
ドリブンズは楽屋配信もしているので、しっかりとファンの方々に明るい姿を見せようと思って、応援にも熱が入りましたし、本当にこんなにチームメートの麻雀で一喜一憂できるんだというのが本当に貴重な経験でした。結果としては悔しい結果になりましたけど、このチームで戦えて本当に良かったと思うので、もし来年以降もこのチームで戦えるのであれば、今年以上の活躍できるように今日から頑張りたいと思います」
【浅見真紀】
「1年目に比べてすごくラッキーがたくさん起きて、すごくツイていて誰でもアガれる満貫とかもいっぱいアガれたのもあって成績がついてきたことで、個人でポイントをチームに持って帰れたことはすごく幸運だし、うれしかったです。細かいところ、内容的な部分でも1年目よりはできることが少しずつ増えていったような気が自分ではしていて、少しずつではあるんですけど成長もできたのかなとは思っています。それ以上に結果がついてきたのが、レギュラーシーズン中はすごくうれしかったです」
-2年目を過ごした、チームとしての感覚はいかがでしたか。
「チームとしてすごく明るかったです。もちろん勝っていたからというのが大きいと思うんですけど、4人ともすごく明るく過ごせたので、いい2年間でした」
【越山剛監督】
「計らずしも、レギュラーで1000勝っても優勝できないということを証明してしまいました。ただ、僕らが今年証明するまでもなく、レギュラーシーズンで1000勝っても、半分になって半分になってという仕組みは僕らも7年やっていて分かっているので、1000メガネ作って浮かれてみたりもありましたけど、それも『ふり』ですよね、ずっと不安です。ずっと追いかけられるし、パイレーツは離れないし、フェニックスは『いつラス引くんだよ?』みたいで強かったです。1000勝ったことに意味がないわけではなくて、それがあったからああいう最後の1局に行けたのは事実なんですけど、1000勝ったことなんて別になんとも思っていないです。
まず、去年2位で、今年は僅差の3位で、麻雀というゲーム、Mリーグという舞台で2年連続してこの4人でその成績を出したことは、本当に素晴らしいと思っています。ほんのちょっとの差、それはうちのチームだけじゃなくあることなので分からないですけど、監督として言い方は変ですけど、勝たせてあげたかったな、とはすごく思っていました」
-それだけ成績を残しているということで、Mリーグでもトップクラスの力を持っている、という手応えをお持ちでしょうか。
「分からないですけどね。2シーズンの成績でそれが証明できているのかどうか、麻雀というゲームは難しいので分からないですけど、それをまた来年に証明しなければいけないなと思います。最後にファイナルに行って、ああいうめくり合いの状況とか、優勝するかしないかの状況にいることがまず大事なことだと思うので、そこを目指してやりたいですし、そうあってほしいなと思います」
-園田選手にお伺いします。対局後、一番長く座っていましたが、どういうことを考えていましたか。
園田
「なんでトイツなんだろう? って思いました。先に
落ちていて、その後
って打っていて、なんでなんだろうなって。それと『負けたな』という、茫然自失と言いますか、すぐに出ていかないといけないとかを考える余裕がなかったです」
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。