押すか、押さないか──日向藍子、己との戦い【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 1/27 第2試合】担当記者 ヤマサンブラック

押すか、押さないか
──日向藍子、己との戦い

文・ヤマサンブラック【火曜担当ライター】2026年1月27日

第2試合

東家:日向藍子渋谷ABEMAS
南家:HIRO柴田EARTH JETS
西家:内川幸太郎EX風林火山
北家:下石戟BEAST X

昨年10月3日以来、勝利から遠ざかっていた日向。
約4か月ぶりとなる、個人2勝目を挙げた試合後のインタビューで、日向は安堵の表情とともにこう語った。

「私としてはずっとこう、暗黒期みたいなのがありまして……。チームの足を引っ張ってると思って生きていたので、2勝目が純粋に嬉しいですね」

これほどまでに思いつめていた日向は、「こわい」というワードを連発、「恐怖を与えられて生きている」とも語り、相当なプレッシャーの中で対局していたことを窺わせた。
その日向が、長く続いた『暗黒期』をどうくぐり抜けたのか。
本日の試合をふり返っていく。

東2局

1試合目から連闘となる下石は、ソーズのホンイツに向かうがツモが噛み合わない。
マンズを払ってもまたマンズを引いてしまい、ドラの【南】がトイツであるもののなかなか手が進行せず、もどかしさを感じる。

安全度を考え、下石はマンズの内側から払っていく。

【2ピン】を引いた日向が長考した。
手牌には、下石が欲しい【南】が浮いている。

【2ピン】を残して嬉しいのは【3ピン】引きだ。はたして、【2ピン】残しはドラをリリースする価値のある選択なのか。

長考の末、日向はドラの【南】をリリースした。

 

当然、下石はこれをポン。
【2マン】で、ホンイツドラ4、跳満のイーシャンテンに。

その直後、日向のツモは僥倖の【赤5マン】
【2ピン】切りでリーチを打つ。

【1マン】【4マン】【7マン】待ちのリーチピンフ赤。
山には残り2枚だが、下石の手に【1マン】が浮いている。

その下石が、【西】を引いて長考した。

ソーズホンイツのイーシャンテンである下石にとって、【1マン】は明らかな不要牌だ。
跳満の勝負手だが、いま行くかどうかの選択だろう。

長考の末、下石は【白】を切り一発放銃を回避した。

日向の一発ツモは不発。
そして次巡、【7ソウ】を引いた下石は受け入れがグッと増えるが、【西】を切りなおも放銃を回避した。

こうして粘っているうちに日向がツモれば、ダメージを減らすことができる。
自分の手牌価値が高いこともあり、【1マン】はいつ切っても不思議ではないのだが、下石のしぶとさ、粘り強さは瞠目に値する。

しかしその下石も次巡に【5マン】を引き、ついに【1マン】を切った。
その【1マン】を、日向が捉える。

裏ドラが乗り、リーチピンフ赤裏、8000点の加点で日向がトップ目に立つ。
ドラの【南】を最高のタイミングで切った結果、生まれたアガリだ。

インタビューで、日向はドラの【南】の切り時についてこう語った。

「(下石から)マンズ出てきたんで、『いまだ! やるならいまだ!』と思って切りました。ほかの字牌が鳴かれてなくて、まだテンパイじゃないって言ってくれたんで、雰囲気で。(中略)奇跡的に【赤5マン】が入って、あれは嬉しかったですね」

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