Mリーグ2018
ベストオブ【朝倉康心】
21人のMリーガー名場面集
文・ゆうせー
※こちらの記事にも、朝倉の前半戦での印象に残るプレーを取り上げておりますので、ぜひご一読ください。↓
【熱論!21人のMリーガー】朝倉康心・U-NEXTパイレーツ~止まらない探求心が生んだ「反射読み」~
2018年10月09日(火)2戦目
この配牌をもらった朝倉、
を引いて、
を重ねて、
もトイツにして、
カンも埋めて、
7巡目にはこの形でテンパイ!ここは…
なんとダマテンに構えた!
理由としては、まず対面の茅森の河を見ると…
このように国士模様。茅森の手に字牌が組み込まれている可能性が高い。そう考えると、とのシャンポンがいい待ちだとは言い難い。
また、ここでリーチをした場合には大トップ目の多井から出アガリをする可能性が極端に下がってしまう。寿人もリーチを受けたときに手が悪かったら、何も勝負せずにベタオリしてしまうかもしれない。
字牌同士のシャンポン待ちなら、ノータイムでリーチにいってしまいそうなものだ。しかしここは朝倉、自身のアガリ率を最大にするため、静かに牌を縦に置いた。
すると、
次の手番の多井がをツモ切った。朝倉がリーチをしていた場合には、打ち出されることはなかった牌だろう。
「ロン」
このアガリを足掛かりに、朝倉は多井を猛追。最終的に2着でこのゲームを終える。
朝倉の麻雀はこのように様々な要素を考慮して打牌に反映させる、「超精緻」な麻雀だ。開幕直後から、朝倉のエンジンは全開であった。
2018年10月12日(金)1戦目
朝倉の手は、ドラのが2枚あるチャンス手だ。
ここで引いてきたを、
ツモ切り。ここでを手に置いてを切ってしまうと、あとからを手出しすることとなってソウズの上(数字の大きい方)を朝倉が持っていることが読まれてしまう。
場況的に良さそうなやを他家に止められてしまわないための、工夫を凝らした一打だ。
次巡引いてきたも、
ツモ切り。は2枚切れ。次に手が進んだ時にも、にはせずにの形で勝負するため、ここでも朝倉は「ソウズのツモ切り」で勝負を賭けた。
この手はテンパイまでで流局したが、場況を読み、一手先、二手先を読むという、朝倉の高い読み能力が表れた秀逸な打牌だった。
2018年10月18日(木)1戦目
8000を放銃して迎えた、東2局。親番の朝倉、
をポンして、
打!ドラが絶対に出ていかないようにして最低12000の打点を確保。
部分が伸びたときには、
その時の場況に応じてかどちらかを落としていこうというのが狙いだ。
5800と12000では得点が大幅に違うこと、持ち点からも12000のアガリに価値が高いこと、というのが判断要素として大きいだろう。
とはいえ、リャンメンを見切って12000のコース一直線、というこのはなかなか打てる牌ではない。いわゆる「デジタル」と呼ばれることの多い朝倉だが、「どんな手でも最速でアガりにいく」のがデジタルではない。