先のことは分からない
分からないかどうかも
分からない
未来学という学問があるそうで、未来学者がいます。
名前のように未来を予測するんですが、これからちっとも当たらないことで有名です。
予測の根拠は、おそらく過去のデータの延長をいくらか調整したものだと思います。
地震や火山の噴火の予測なども当たらないようなので、専門の学者でも、予測や予想が当たらない分野はたくさんあります。
昔から統計で現状を良く表し、将来の予測に役立っているものに、人口調査や人口動態があります。
今では漫画になるほど有名な、経営コンサルタントのドラッカーは、
「団塊の世代(ベビーブーマー)が婚期になると、第二次ペビーブームが起きる。さらに時間がたつと、老人社会になる」
(私の要約・うろ覚え)
「当たり前だろ!」
と思うかもしれませんが、これを半世紀以上前に予測してました。
未来学者もびっくりです。
ドラッカーは経営コンサルタントとして有名ですが、本人は社会生態学者だと名乗ってたそうです。
スエーデンの現役の公衆衛生学者のハンス・ロスリングは、
「世界の人口は爆発的に増えて今70億人くらい。しかしこのまま増え続けるのではなく、100億人くらいで止まる」
と統計的な予測をしています。
「世界は全体的に公平で豊かになな方向に向かっている。貧困が解消されると、死亡率が低くなる率よりも出生率がもっと低くなる」
貧しい国々の疫病を撲滅し、子供の死亡率を下げて、人々が自立できるように援助すれば、一時的(十年単位ですが)に人口が増えても、やがて安定すると。
なるほど、当たりそうな気がします。
かつてのビジネスヒーローで、世界屈指の大金持ちのビルゲイツや、投資の神様と言われるウォーレン・バフェットも、今や公平な世界を実現しようとする強力な慈善事業家として知られるようになっています。
あ、話が大きくなってすみません。
チャンスは平等になっても
格差は広がるかもしれない
公平な社会の実現の後押しをしているのが、ITの発達、身近にはスマホですよね。
私はその機能のほんの一部しか使ってませんが、特に若い人たちは楽しく上手に活用しているようです。
ITの劇的な発達を支えているのが「ムーアの法則」と呼ばれるもので、
「半導体の性能は指数関数的に増大し、価格は相対的に安くなる」
というもの。
40年ほど前に初めて提唱されたアイデアで、今までそれが通用し今後20年くらいは通用するのではないかと言われています。
未来予測に関しては、先に述べた人口動態とこのムーアの法則が最も威力を発揮するんだそうです。
ITの発達は、仕事を助けてくれて、エンターテインメントが楽しめて、学習にも役立っていい事だらけです。
一方、漠然とした不安もあります。
その一つは私たちの仕事が、コンピュータやロボットに置き換えられて、無くなってしまうのではないかという不安です。
私は出版業界に友人が多いんですが、仕事を失った仲間がいます。
麻雀仲間でもあった写植屋さん、カメラマン。
パチンコ仲間のデザイナー、レイアウトマン、ライターなどです。
日本のDTP(パソコン出版)の草分けのひとつは「パチンコ必勝ガイド」ですが、編集ソフトの登場で、多くの技術者の仕事が失われてしまいました。
漫画家の中には、いち早く画像加工ソフトを導入し、アシスタントの数を減らした人もいました。
特に威力を発揮したのが、パチスロ漫画です。
出目の切り貼りが簡単ですからね。
編集ソフトの影響かどうかは聞いてませんが、長いつきあいのある編集者自身が、とうとうリストラにあったそうです。
グーグルが自動運転車両を開発したり、アマゾンがドローン(無人航空機)で、本を配達するというアイデアがあります。
これが実現すると、プロのドライバーやパイロットの仕事が減るかもしれません。
ま、これらの予測は、過去の観測の未来への延長に過ぎないので、当たるかどうかは分かりません。
分からないほうが、おもしろいですしね。
「今マンションは買いですか?」
先日聞かれました。
「いずれ団塊の世代の人たちが亡くなったら住宅は余るので、今買わなくてもいいのでは」
「最安値情報が出回れば、不動産とはいえ買い叩かれるし」
と答えました。
たった一度の決断で、将来の利益が確定すると思うのは甘い!
商売で日々精進しても、損して倒産するのが当たり前。
でもこれは、私が不動産を持ってないことのバイアスかもしれません。
どっちへ転ぶか分かりませんが、もし投資が失敗しても損失の穴埋めができる能力を、身に付けておけばOKです。
逆に投資が成功しても、その利益よりも、身に付けて能力のほうがはるかに大きいと思います。