醍醐大が止めたる牌は
再起を誓う不死鳥の証
文・後藤哲冶【木曜担当ライター】2023年10月26日
今年セガサミーフェニックスに新加入した醍醐大は苦しんでいた。

ここまで、醍醐は全5回の登板の内、2着が2回、3着が1回、4着が2回と、トップが無く苦しい展開が続いている。
負債は、早くも100ptを超えてしまった。
まだ序盤とはいえ、経験も実績も十分なこの男が、このままで良いはずはない。

まずは待望の初トップに向けて。
醍醐の大冒険は試練の章を迎えている。
10月27日 第2試合

東家 二階堂瑠美 (EX風林火山)
南家 醍醐大 (セガサミーフェニックス)
西家 鈴木大介 (BEAST Japanext)
北家 伊達朱里紗 (KONAMI麻雀格闘倶楽部)
東1局から試合をリードしたのは、ここまで個人3連勝と絶好調の伊達朱里紗だった。

赤が2枚の配牌をもらった伊達は、ここから打。
既にが2枚切れておりシャンポンの受けが苦しい。愚形が2つのイーシャンテンなので強い浮き牌である
を残しながら、イーシャンテンをキープ。

見事浮き牌のに
をくっつけリャンメンを作り、残したカン
を引き入れて、
のリーチへ。

山に5枚残っていたを、一発でツモアガリ。
自信を持って下した選択に結果がついてきてくれる。一体誰がこの絶好調状態の伊達を止められるのか。
3000、6000のツモアガリで、大きなリードを取ることに成功。

伊達の強さは、押し引きのメリハリにある。
続く東2局、役牌のを仕掛けた大介が、手出し
としたところで、伊達がメンツを壊す形で
を合わせ打ち。
現時点での放銃はあまりないにせよ、このドラも赤もなく、形も良くないこの手牌から放銃はしないという強い意志を感じる。

8000点のテンパイが入っていた大介の勝負手は封殺され、1人テンパイで流局。
東3局1本場へと移っていく。

醍醐がを引き入れて早々にリャンメン2つのイーシャンテン。
ドラも1枚あって、悪くない形だ。

少し時間はかかったが、を引き入れてテンパイ。
待ちだ。

しかし、ここで醍醐の手が止まる。
このピンフドラ1リャンメンテンパイという普通は迷わずにリーチと行きそうなところで、醍醐の手が止まったのには理由があった。

伊達がドラのをポンしているのだ。
それだけ聞けば、醍醐からドラのが全て見えているため、
は悪くない待ちに見えるが、既に
は2枚切れており、
は目に見えて残り4枚。
更に、伊達のドラポンが気がかりだ。
ドラのポンで既に8000点が確定しているが、伊達はあまりタンヤオらしい手組ではない。
ピンズをと払っているのがポイントで、タンヤオに向かう場合、
と切って
のくっつきを瞬間でも残すことが多いからだ。
更に伊達は2枚切れのを先に打って、生牌の
を残している。
これはホンイツかトイトイに向かう際に多い牌の残し方。
ホンイツだとすると、醍醐の待ちであるを固められてしまっている可能性は多いにある。
リーチか、ダマか。はたまたを打って、
を使うルートに向かうか。醍醐の選択は。

リーチだった。
懸念材料は確かにあるが、やはりトップが大きいMリーグのルールであれば、これはリーチを打ちたい。
残り1枚ではあるがはかなり山にいそうなことも手伝って、ここはリーチへ。
しかし実はこの局、伊達が素晴らしい手順で醍醐の当たり牌を逃していた↓