神さまを信じる経営者の話 サイバーエージェント社長・藤田晋の著書「仕事が麻雀で麻雀が仕事」で記す勝負哲学

神さまを信じる経営者の話 サイバーエージェント社長・藤田晋の著書「仕事が麻雀で麻雀が仕事」で記す勝負哲学

「藤田は勝負強い!」

ビジネスの世界でもそう呼び声の高いサイバーエージェント・藤田晋社長による「勝負強さ」を身につけるための実践記が麻雀ファンだけでなく、麻雀を知らないビジネスマンの間でも話題を集めている。キンマWebでは2018年8月に発売された著書

「仕事が麻雀で麻雀が仕事」

の中から、作者・藤田晋氏が特に伝えたい、麻雀を知らない人が、麻雀に興味を持ってもらえるような記事を抜粋して紹介していきます。

【神さまを信じる経営者の話】

麻雀の世界では永らくデジタルかオカルトかの議論が尽きないようですが、実業の世界でも意外とオカルトなものを信じる人は多いです。

私が出会ったことのある経営者でも、風水の方角で会社を引越しする人、大安や仏滅に拘る人、すぐお祓いに行く人、専属の占い師を抱えてる人など色んな人がいます。

神頼みのようで、自分の社長がオカルトなものに頼っているすれば少々不安な気がしますが、不思議とそういった人の会社は好調であることが多いです。そして好調な社長の話はみんな信じやすく、真似したくなります。

昔、結構な大企業の社長が名前の画数にこだわる人で、業績が伸び悩んでいた時に名前を改名しました。するとその後業績が上向き、その社長は周囲の人にも熱心に改名を勧め始めました。危うく私まで名前を替えさせられそうになったのですが、その社長以外の人は真似をしても意味がないと思います。

孤独なリーダーが、心の拠り所として目に見えないものを信じる気持ちはわかります。結果的にそれは精神的な柱にもなるでしょう。しかし、それは唯一無二の状況に置かれたその人だけのものです。だから他人が真似しても意味がなく、また同じことを人に勧めるのも間違っていると私は思います。

麻雀においても、「牌勢がいいので押すべき」「ツモ筋がいいので鳴くべきではない」「ラス席だから慎重にいくべき」などと理屈では説明不可能なことを言う人がトッププロの中にもいます。つまり、逆に言えばオカルトを信じる人も強いということです。

でも、実業の世界と同様、強い打ち手のオカルトはその人だけのものであり、真似できるものではないし、同じ価値観を人に押し付けてはいけないものだと思います。

宗教教育にあるような「見えないものを信じる力」は人が生きる上でとても大切なことです。それは何も神さまに限った話ではなく、目に見えない愛、友情、勇気などもそうです。超高学歴の頭がいい人が会社に入って苦戦する多くのケースは、そういった力を評価できず、問題に対して正しい答えを出すことしか知らないからです。ビジネスの世界では、デジタル思考だけでは必ず行き詰まります。

麻雀の世界も案外同じで、理論的、確率的に正しい打牌を繰り返すだけの打ち手では、そこそこのレベルから上に行くことはできないのではないでしょうか。
※サイバーエージェント社長・藤田晋 著「仕事は麻雀で麻雀は仕事」より抜粋