【西原理恵子 & 山崎一夫】コロナに負けるな! でかぴん麻雀入門特別編 その5

ビビーッ緊急事態!
百万円請求来たぞ

すでに撤退した店のビルを管理している不動産屋さんから、

「お預かりしている保証金では、店の原状回復費用には百万円足りません」

との連絡が来ました。

工事の見積もり書が送られて来たんですが、私が想定していた金額とは大違い。

大雑把に言うと、保証金の返還金額は百万円以上だと思っていたんですが、逆に百万円寄越せと。

往復二百万円のギャップですが、驚きは無いです。

前に書きましたが、別の地元の不動産業兼パチンコ店経営者に事前に忠告を受けていたからです。

「家賃相場も保証金も水面下では大きく下がってる。むかし預かったのは12か月分の補償金なのに、新しいテナントからは4か月分しか取れない」

新規テナントから4か月預かれればいいほうで、それを保証金返還の一部に充てられるけど、引きあいそのものが無い。

実際それは私も感じてます。

世界一のターミナル駅と言われる新宿ですら、休業中の店舗や空きテナントが増えてます。

見た感じ2割くらい。

神保町は3割くらいに思います。

「コロナでGDPが20%下がる」

「いや30%だ」

という予測と合致しているようでもあります。

「なので保証金が戻らないトラブルが増える。なるべく家賃と相殺などで使い切ったほうがいい」

とのアドバイスも受けてたんですが、その通りになってしまったんです。

さすがプロですね。

最近の彼の見立ては、

「おそらくビルのオーナーの資金繰りが厳しいんだと思う」

とのこと。

で、ここからは私が経験した不動産がらみの過去のトラブルです。

麻雀専門誌なのに?

とお思いの方はキンマWebのtwitter中心の麻雀コラム「でかぴんじゃない麻雀入門」もどうぞ。

私の経験は年齢的にインフレやバブルの時代ですが、デフレの現在今回のようなトラブルは増えそうなので、参考になればと思います。

先の、二百万円のギャップですが、驚きは無いです。

て言うようにね。

インフレ時代かつ雀ゴロ時代に、私は高田馬場の駅前のワンルームマンションに住んでました。

大家さんは日本に登場したばかりのサラ金経営者です。

高田馬場に多い学生ローンの元祖のような人物で、私からはサラ金の金利と家賃を取ると言う商売上手です。

で、それを知っている麻雀仲間の不動産ブローカーに言われました。

「高い家賃を払うくらいなら中古マンションを買えよ」

そんなお金はもちろんありません。

「俺が全部手配するから大丈夫」

彼は私や島本慶さん(なめだるま親方)にしょっちゅう借金してるいかがわしい人物ですが、私はその話に乗りました。

頭金無しで月々の支払いだけでOKというプランです。

雀ゴロから足を洗って弁当店を経営していたんですが、数年後に倒産してしまい、借金の返済のためにマンションを売ることにしました。

ところが不動産登記簿謄本を取ると、私が知らないうちに、短期賃借権が、ブローカー紹介の不動産会社が登記していたんです。

「山ちゃんハンコ貸して、契約書に捺すから」

おそらくこの時に、私に見えないように白紙委任状か、白紙そのものにハンコを捺して、内容は後からプリントしたんでしょう。

短期賃借権というのは、登記した者が優先的に賃借できる法的な権利(当時)。

登記簿には1か月1坪10円で借りることができると記されてました。

凄いでしょ。

つまりこれを外さないと、マンションは売れないんです。

「で、いくらで外してくれます?」

たしか五十万円くらいだったかなあ。

それでも、ローンの残債と借金の両方を払えました。

つまり、詐欺師と被害者で利益の取り合いができた、不動産バブル崩壊直前の時代だったんです。

こういう経験はデフレの時代には参考にならないかもしれませんが、もう少し地味なリスクは常にあります。

賃貸マンションを引っ越す時に、不動産屋さんが

「エアコンが不調なので修理費がいる」

と言うんですが、そのエアコンは私が設置した物です。

投資物件で持ち主が次々と変わっているので把握していないのに、言いがかり的にお金を取ろうと。

さて、これらはインフレの時代の一部の不動産屋さんのズル。

ところが現在はデフレ+コロナです。

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