すべてを圧する闘牙ある麻雀!松本吉弘が魅せた1位に拘る半荘
文・危険な鬼太郎【火曜担当ライター】2021年2月16日
今日の2回戦の対局選手は全員が麻雀本を出している選手達だ。
Mリーガーの中でも彼らの攻守のバランスはかなり勉強になる。今回はそんな麻雀巧者の4人の麻雀のバランスに注目して観戦記を書いていこうと思う。
【2月16日 2回戦】
東家 小林剛(U-NEXTパイレーツ)
西家 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
北家 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
東4局1本場供託1本 親・魚谷 ドラ
比較的点数移動が穏やかで東4局まで進行。ここで小林の手牌に注目。
ホンイツが丸見えの手牌。ターツは払わないとして役牌三種のどれかを切りたいが比較は簡単だ。
役牌のとは1枚切れでは初牌。切る牌はかのどっちかだ。
しかし小林は
まさかの初牌の切り。枚数は無視だ。
これは1枚切れの字牌の方が100%山に残っていて、初牌のダブは誰かに持たれている可能性を考慮したのもあるが、これはを先にチー出来た時のことを考慮したものだと思われる。
仮にをチーして小林が聴牌を入れたとしてもこのホンイツ見え見えな小林に初牌のを切る人はそうはいない。もしいるとすればその打ち手に相当な勝負手が入った時ぐらいだろう。
1枚切れの字牌だったら今の内に他家が切ってくれるのもあるし、先引きなら跳満確定のとのシャンポンリーチも面白い所。の対子落としも地味に河に効いている。
ここで内川がリーチ宣言。
赤牌を2枚抱えての満貫確定のリーチ!ツモって裏が1枚でも乗れば跳満の大勝負手。
これに親番でドラが暗刻の魚谷も無筋のを叩き切るが、メンホンイーシャンテンの小林も当然降りない。
イーシャンテンで手の中に無筋の牌2枚を抱えているが、ここはが3枚見えててワンチャンスのを押し通す。
守備重視の小林としてもこの勝負手は降りたくはない。幸いにも内川の捨て牌には通ってない筋が多すぎるので聴牌すれば打点でを勝負できる。
ここで内川の当たり牌のを引く小林。
切りたい牌はとだがこのタンヤオや赤やドラが絡みやすい牌で放銃してしまえば打点が付く可能性が高い。
1枚切れの字牌を切って回す手もあるにはあるが…魚谷がを二連打してきているのでカンが目に見えて弱い。字牌は切りたくないが。
小林はここで打。ここは手を回す。を打った時はもちろんを打つ覚悟があったが、を引いた以上リーチ者内川に対してこの2牌を押し通すのはあまりにも乱暴か。
これでも首尾よくカンを引くことが切れば追っかけリーチが出来るので、ギリギリのバランスを保っているのが小林らしい。
対してラス目の松本は内川のリーチに歯向かう。内川から切られたをポンして聴牌を入れる。
無筋のを押してののドラ1の二千点聴牌を取る。松本としても内川のリーチにはまだ通っていない筋が多いので、この一牌ぐらいなら押せる。
さらに供託が二千点で1本場もあるのでアガリ切れれば4300点と中々の打点もある。道中危険な牌を引いてもで降りきれるので鳴く一手だ。
内川からすぐ切られたを捕える松本。
松本がドラ1の二千点を内川から打ち取る。供託2本と1本場なのでアガリの打点よりも供託の方が高い。
松本はリーチ判断や鳴き判断を全て一瞬で判断している。迷って打牌選択をしてしまうとまだ聴牌していないのかな?とバレてしまう事があるが松本にはそれがない。
事前に鳴くか鳴かないか降りるかどうか決めているので、松本の間は非常に読みにくい。
南1局では松本がリーチを打つとこれをすぐツモ。
リーチツモドラ赤の満貫のツモアガリ。個人ランキングでは最近順位を落としている松本。しかし現状ポイントランキング1位の小林とは対して差がない。ここでトップを獲って、チームの首位と個人ランキング1位のタイトルを同時に狙う。
さらに親番ではのヤミテンを入れての
ドラ赤の7700を内川から捕らえる。さらにこれだけで終わらないのが松本。1本場ではドラ暗刻でリーチを掛けるとこれを魚谷から捕らえる。
リーチドラ3赤の12000をアガって勝負を決定づける。もう絶好調だ。
南2局2本場 親・松本 ドラ
小林がカンをチーして打とする。