「失礼ですが、他のお客さんからこういう話が私の所に来ましたが、もしかして誤解を招くようなことがありましたか?」
と婉曲に通報の事実を伝えます。
残念だったのは、その人は以前の常連さんだったことです。
「フリー雀荘ってヤクザとか来ませんか?」
来ません。少なくともあからさまにそれと分かる人は、当局の厳しい指導と取り締まりもあり、今のフリー雀荘にはいません。
暴力団員を入れてはならない。
高校生を入れてはならない
就労許可の無い外国人を雇ってはならない。
と指導を受けます。
暴力団に関しては、
「警察はいつでも相談に乗るので、決して自分たちだけで対応しないでください。武器と戦闘組織のある暴力団に対抗できるのは、自衛隊を除けば私たち警察だけです」
でもごくたまに、ちょっとだけそれと思わせるような見かけや振る舞いの人が来ます。
一つはタトゥーが胸元やシャツの袖から微妙に見える人。
見えるというか、もしかしたら見せてるのかもしれません。
目立つようなら、見えないようにお願いしています。
数年前にちょっと対応に困ったのが、左手の小指に肌色で布製の指サックをしている、遊び人風のおじいさん。
中身があるんだか無いんだか分かりませんが、聞いたり指を摘まんだりは、ちょっとしにくいです。
事故で欠損したのをカバーしているのかもしれないし、それをアピールしてるのかもしれません。
結局、小指のことには触れずに、他の明確なマナー違反を理由に、来店お断りを告げました。
現在のフリー雀荘は、不良客に関する情報をある程度共有して排除しているので安心です。
他のお客さんに関してもし納得がいかないことがあったら、従業員に伝えれば対応してくれるので安心です。
(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2016年2月15日号)
●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/
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