覚えているだろう〇〇、
あいつ1人に
274.2点とられたのを
文・越野智紀【金曜担当ライター】2022年2月18日
【第1試合】
東家:本田朋広(TEAM RAIDEN / 雷電)
南家:小林剛(U-NEXT Pirates)
西家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
北家:勝又健志(EX風林火山)
シーズン序盤でチームメイトの松ヶ瀬選手が多用されていた時に、
「チームのポイントに差が出てくるシーズン終盤戦のほうが得意」
そう勝又選手は語っていた気がします。
語っていた気がするんですが、どこで言っていたかが見つかりませんでした。
もしかしたら僕がイメージした脳内勝又先生の台詞だったかもしれませんね。
『ポイントに差が出た終盤戦のほうが得意』とはどういうことかと言うと、ポイント状況に応じて変わってくる各チームの狙いを上手く利用することです。
勝又選手は特に情報を大切にする打ち手で、普通の人は配牌でテンパイに近ければ嬉しいものなんですが
「配牌良すぎると他家の捨て牌から情報が得られる前にターツ選択を迫られて困る」
なんてことを言います。
これは脳内勝又先生の台詞ではなくリアル勝又選手の台詞です。
麻雀には運否天賦の部分と技術の部分があって僕はテンパイに近い配牌のほうが好きですが、勝又選手の言葉からは技術の範囲を広げて勝率を高めようという気概が感じとれます。
レギュラーシーズンも佳境を迎え、ポイント状況に応じた狙いという情報が増えた終盤戦は正に勝又選手の得意領域です。
昨シーズンのファイナルで見せた7戦5トップの無双状態。
各チームの絡み合った思惑を読み、困難な局面を有利に運ぶ軍師の手腕が発揮される時がきました。
現在本田選手の所属するTEAM雷電は7位と大きく離された最下位に位置し、セミファイナルに進出するためには伝説級の奇跡が必要な状況です。
東1局。
自分が主役にならない局の過ごし方に定評のある勝又選手は
小林選手のの仕掛けに親番本田選手の押し返す展開を想定し、手詰まらないように序盤から受けを選択すると
早い見切りで安全に1局を消化。
東3局。
親番たろう選手のとの仕掛けを受けた直後にテンパイが入った勝又選手は、ドラ表示牌のペン待ちでたろう選手と1対1になっては分が悪いと判断。
小林選手と本田選手を活かしたほうがリスクは少ないと考えて、ダマテンを選択すると
小林選手と本田選手の2軒リーチになり、ここも横移動での局消化となりました。
東4局。
小林選手の仕掛けを受けて
機敏に対応。
相手の手と自分の手の価値を見誤らず、隙がありません。
南1局、本田選手の親番。
東1局の親番の時に小林選手とたろう選手の二人の仕掛けに危険なピンズの無筋を連打して放銃となっていたことから、南場の親番でも相当押してくると考え
この局での愚形先制リーチの価値を低く見積もり、良形を目指してを切りました。
狙い通りに手が進むと、親リーチと勝負出来る形でテンパイが入り
テンパイ重視で切りを選択していたらカン待ちが残っていただけに、ここでは状況とツモが上手く噛み合った形となりました。
南4局1本場。
僅差で迎えたオーラスはアガリトップの小林選手からリーチが入ります。