Mリーグセミファイナル、最終節の注目ポイント 4/29「最終日に望みをつなげ」
朝日新聞Mリーグ2020セミファイナルは、4/29・4/30の2日間で全日程を消化。4/30が終わった段階での上位4チームが、優勝を懸けたファイナルの舞台へ駒を進める。
Mリーグにはコールドがないため、数字の上ではまだ全チームにさまざまな可能性は残っているものの、首位渋谷ABEMAS(288.0pt)・2位KADOKAWAサクラナイツ(273.3pt)の2チームはファイナル進出を確定させていると言っていいだろう。
セミファイナル最後の2日間は、残る2つの椅子を争う4チームの戦いとなる。残しているのはそれぞれあと2戦、現状のボーダーラインはEX風林火山の-30.0pt。それを踏まえ、まずは4/29に行われる試合について触れていきたい。
4/29
「KADOKAWAサクラナイツ vs KONAMI麻雀格闘倶楽部 vs 渋谷ABEMAS vs TEAM雷電」
この日試合を戦うのは、5位・KONAMI麻雀格闘倶楽部と6位・TEAM雷電。いずれもこの日が最終戦となるため、まずは4位を目指しての戦いとなる。
■6位・TEAM雷電 -200.6pt ボーダーまであと170.6pt
置かれている状況は非常に厳しい。たとえ連勝したとしても、普通のトップ2回ではおそらく110〜120pt前後のプラスにとどまり、翌日を戦うチームが大きくポイントを減らすことを願わざるを得なくなる。つまり連勝と5位浮上は絶対条件、その上で特大トップも取らなくてはならない。もちろん理想は逆転して条件を突きつけることだが、せめてボーダーと30〜40pt差くらいには差を詰め、プレッシャーをかけたいところだ。
TEAM雷電の3人は、全員が高打点への鋭い嗅覚を持つ。特に黒沢咲は、最高スコアが個人タイトルとなった2019年シーズン以降、レギュラーシーズンで100ptオーバーの大勝を2年連続で記録している唯一の選手だ。チャンスとあらばどこまでも素点を稼ぎ、翌日に望みをつなげたい。
■5位・KONAMI麻雀格闘倶楽部 -67.4pt ボーダーまであと37.4pt
KONAMI麻雀格闘倶楽部にとって、この日はボーダーの4位浮上が最低限の目標となる。トップ1回で4位のEX風林火山を逆転できるので、条件だけを見ればそれほど困難なものではない。ただ、ポイントで上回るだけでは心許ない。EX風林火山をかわした上で、どこまで差をつけられるかが重要だ。連勝すればEX風林火山にトップ2着くらいの条件を突きつけられ、かなり有利な立場で最終日を迎えられるだろう。
また、連勝すればスコア次第では赤坂ドリブンズをかわして3位に浮上することもあり得る。そうなれば、ファイナル進出はかなり濃厚と言っていい。KONAMI麻雀格闘倶楽部は、佐々木寿人・高宮まりのように、ツボにはまれば特大トップを取れる力を秘めている。高打点の嵐を吹き荒れさせ、一気にファイナルへと駆け上がれるか。
この日は敗退圏内の2チームが出てくるだけに、普段以上に無理をしてトップを狙う場面が出てくることが予想される。しかしライバルはもちろん、渋谷ABEMAS、KADOKAWAサクラナイツもそれをやすやすと許すはずがない。大振りになって生まれた隙を突き、さらなる加点を狙ってくるはずだ。
木曜日が終わり、どのようなポイント状況になっているのか。この日の戦う4チームはもちろん、試合のない赤坂ドリブンズ・EX風林火山にとっても、非常に大きな意味を持つ2試合となる。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。