お国頼み他人頼みで
儲かることは無い
この原稿を書いているのは、参院選の直前です。
選挙の争点の一つにアベノミクスを支持するかどうかがある。
私はギャンブル・ライターなので、善悪より先に損得を考えがちという、下品な習性があります。
パチンコ・ライターだった時ももちろん同じで、攻略法を使う時は、ホールやメーカーの迷惑などはまるで考えていませんでした。
「来週までにこのパチンコ台のある店を見つけて、借金でもいいから数万円の軍資金を調達しなさい。簡単な攻略法を発表するので、1日で元が取れます。後は出入り禁止になるまで、徹底的にかっぱいでください」
むかし、西原理恵子さんと一緒に連載していた、週刊プレイボーイの記事です。
西原さんは週プレ発売前の情報格差でかっぱぎ。
「漫画なんか描いてるばやいじゃない!」
読者のみなさんも、合計末端価格で数十億円稼いだと思います。
逆に言うと、ホールにそれだけの損害をかけ、その台が売れなくなったメーカーには、もっと多くの損をさせたかもしれません。
さて、アベノミクスのうち、分かりやすいのが株価です。
色んな立場がありますが、最初から負けが確定しているのは、買い支えに出動される年金の積立金などだと思います。
それと、NISAなどを利用し、アベノミクスを信じて新規参入した少額投資者。
対人ゲームは、相手に勝つ気と勝つ能力があるからおもしろいんですが、公務員が人のお金を投資して勝てるとは思えません。
買い支えは、目的が必ずしも利益の確定じゃない。
「昨年はみなさんの年金積立金を使って、安値で仕入れた株を高値で売り抜けて大儲けしました」
「さらなる値下がりを予測して、赤字のまま損切りした」
「暴落を予想したカラ売りが成功」
なんて報告は聞いたことがない。
「利益が出てる、損してない」
と言うのも、実際には換金できない。
大量の株を売れば市場が崩壊します。
おそらく外国勢を中心にしたプロのカモになってると思います。
カモ確定と見れば、その逆張りが儲かりそうですが、実は他の結果もある。
両方とも儲からないというのが、投資やギャンブルの怖いところ。
「投票日までは政権の人気取りの買い支えがあるハズ」
「終われば暴落必至」
なんて推理している人も多いと思います。
自分の推理を信じて勝負したほうが政策を信じるよりも納得です。
あ、私は株もFXもやってないし、経験者でも専門家でもありません。
ギャンブル・ライターのつぶやきです。
イギリスのブックメーカーや、野球賭博のハンディ師の気分で。
日本のトレーダーにもアベノミクスを利用して、大儲けしている人はたくさんいると思います。
かつて麻雀たぬの大会で優勝したcisさんは、百万円を百九十億円にした天才トレーダーですが、他にも名前を出さずに稼いでる人もいっぱいいるでしょうからね。
cisさんはTwitterで1週間ほど前に、「相場やってもスるよ~。スルーがおすすめ」という謎のツイート以来書き込みがありません。
怪しいなあ、一儲け企んでるのかもしれません。
泡沫候補と言われても
化けるかもしれない
「やけに人が多い」
私の地元の高田馬場の駅前で、選挙演説をやっていました。
無所属新人のミュージシャンだそうで、選挙カーに積まれた大型スピーカーが高性能なのか、声が良く聞こえます。
ノボリには「選挙フェス」と書いてあり、候補者のバックでは、別のミュージシャンが、ギターやパーカッションで支えている。
「俺の仲間の話を聞いてやってくれ」
という気持ちが伝わってきます。 三十代らしき候補者は、長髪髭面にラフな衣装で、とても選挙演説には見えない。
ボランティアも雰囲気が似てる人がいる。
腕にタトゥーもいるし。
聴衆の年齢層は幅広く、スピーチを熱心に聞いています。
調べてみたら、選挙の聴衆動員数ナンバーワンだそうです。
さらに、Twitterやグーグルなどでの検索数も、選挙関連ではダントツ。
youtubeでは、演説ビデオが僅か1週間で50万回視聴。
今のところ大手メディアでは、泡沫候補扱いですが、本誌が発売されるころにはメディアも取り上げ、100万回になっていそうです。
これだけ人々の共感を得られるのは、損得よりも善悪や美しさに敏感な人なのでしょう。
ボランティアがネットで情報を拡散するアイデアは、LINEを活用するなど、日々進化しているように見えます。
おそらく、応援するファンや専門家が、日本中からアイデアを出し合ってるんでしょう。
かつてなら泡沫候補のままだったかもしれませんが、注目すべき候補者に押し上げています。