麻雀は、押し引きが大事と僕はよく言っています。
今回はそんな、押し引きの問題です。
それでは、早速問題に参りましょう。
問題
麻雀最強戦2021 著名人異能決戦 、予選B卓のオーラス「破天荒ギャンブラー」の異名を持つ平成ノブシコブシの徳井健太さんの選択です。
2位まで通過のオーラス、瀬川瑛子さんのリーチを受けて一発目です。
さて、徳井さんは何を考えてどうしたでしょうか?
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解答
切りリーチ
解説
瀬川さんに一発で放銃すると、確実に逆転されます。さらには見るからに危なそうなところで、待ちもペンと悪いです。
が現物なので一旦を切る、という人も多いのではないでしょうか?
しかし、これは間違いなくを切ってリーチした方がいい! と言える局面です。
では、その理由を説明しましょう。
まず、状況をまとめます。自分がアガれば通過は間違いないので、他の通過条件を考えてみましょう。
①近藤さんがアガる
②瀬川さんが近藤さんからアガる
③瀬川さんがアガるが、自分に届かない
④流局して、佐藤さんがノーテン
レアケースは他にもありますが、メインはこの4つでしょう。
それでは一つずつ検証してみます。
①ですが、すでに瀬川さんのリーチが入ってる状況です。オリればいい近藤さんが、無理してアガってくれる可能性はかなり低いでしょう。
そして近藤さんがオリるということは同時に②の可能性も低いと言えます。
そして③ですが、点差は僅かに5000点です。1000‐2000でも条件を満たされてしまうため(同点の場合は瀬川さんの勝ちになる)、それを願うのは都合が良すぎるでしょう。
最後に④ですが、佐藤さんもこの親でノーテンにすると負けが決まるので、高確率でテンパイは取りに来ます。
つまり、①〜④どの条件も満たせる可能性はかなり低いと言えるのです。
となると、勝つためにはリスクを承知で自分でアガりに行くしかないのです!
さてここでもう一度徳井さんの手を見てみましょう。自身の和了確率だけを見ると、どの選択が一番いいでしょうか?
それは勿論、切ってリーチでしょう!
手を組み替えるには時間がかかりますし、いい待ちになる保証もありません。それに加えてがほどよく切れていてがいい待ちというのもオマケでついてきます。
ということで、徳井さんはしっかりとを切ってリーチしました。
そして結果どうなったかと言いますと…
オリれない親の佐藤さんにこのテンパイが入り、溢れたをしっかり捉えて勝ち上がりを決めました!
そして、徳井さんはこの勢いのままに見事決勝卓でも優勝し、ファイナル進出を決めたのです。
この勇気のいる選択を、ノータイムできっちりとできた徳井さん、ファイナルでもきっと暴れてくれることでしょう。期待したいですね!
それでは、また!
渋川通信
長きに渡ったこのコラムも、ついに最終回となりました。皆様応援ありがとうございました!! また会う日まで!! さようなら!