熱論!Mリーグ【Tue】
荒波が続く
セミファイナルへの航路…
瑞原明奈がもたらした
薄氷の2着の「価値」
文・渡邉浩史郎【火曜担当ライター】2020年1月21日
レギュラーシーズンの2/3を終えて、Mリーグはまさに明暗がくっきりと分かれている。
全体として「勝っている選手・チームが更に勝ち、負けている選手・チームが更に負ける」という印象がある最近のMリーグ。実際に昨日の時点でMリーガー29人中、成績がプラスなのはたったの12人のみという状況であり、さらに成績上位5人が全体のプラスポイントの2/3を独占しているといった具合だ。
上位5名に2人も所属選手が名を連ねているセガサミーフェニックス、マイナス勢の復調とプラス勢の安定感により立て直してきた麻雀格闘倶楽部、エース2人が大不調の赤坂ドリブンズ、大きなマイナスを背負っている選手こそいないもののプラス選手もいないU-NEXTパイレーツ、そんな4チームの対戦となった本日の試合。
判官贔屓というわけではないが、やはり今の状況で注目したいのはマイナス側のチーム、すなわちドリブンズとパイレーツだろう。
パイレーツからすればほっと一息つけるものの、まだまだ油断できない。
ドリブンズは貴重な残り試合のうちの一つをラスという形で消化する、最悪の結果。いよいよ一つのラスも許されない領域に入ってきた。
2戦目
東家 近藤誠一(セガサミーフェニックス)
南家 瑞原明奈(U-NEXTパイレーツ)
それを受けて2戦目に出場したのはパイレーツから瑞原、ドリブンズから丸山。
瑞原は11月のバースデートップ以降トップなし、丸山も初戦以降トップなしと、どちらもチームとしても個人としてもトップが欲しい大事な局面を任された。
花のある対決となった2戦目、早速見ていこう。
【東1局】
丸山が配牌からこの形。自風のが槓子でドラドラの手牌だ。
ここは打とした。カンしてドラを2枚使えば満貫の為、まっすぐカンをする選択もあったが、残っている形が不安なこともあり、ひとまず良型にならない浮き牌であるを切っていった。
次巡、を引いてカン。これでドラのを一枚切っても仕掛けて満貫になる。形も多少マシになったということもあり、カンしてツモ牌を増やす。
を嶺上から引いて、2シャンテンの形が広くなった。打。
しかし先制したのは親の近藤。新ドラも乗ったリーチ・平和・ドラドラの勝負手だ。
これに即座に追いついたのは瑞原。を切れば高めチャンタのテンパイだが、これがドラ。中筋とはいえ七対子やカンチャン待ちが完全否定されているわけではない。現物を切ればおとなしく・ドラの現物待ちテンパイにすることもできるが……
打でリーチとした!!
カンも入っているこの状況で、自分は両面待ちの高め満貫テンパイ。ここはリーチでぶつけに行った。
しかし結果は手詰まった高宮が近藤にワンチャンスので放銃。裏ドラも二枚乗り、18000のアガリとなった。
勝負手だった瑞原・丸山からすれば、アガれなかったばかりか、いきなりトップと20000点差をつけられた。
まるでチーム全体の不調、そしてフェニックスの好調を暗示しているかのような、そんな気がする近藤の大きなアガリ。
「この半荘も近藤のトップか……強すぎる……」と思ってしまうのも無理はないだろう。
しかしこれだけで試合が決まらないのが今期のMリーグである。
【東1局1本場】
瑞原がこの形からをチーして・三色・赤のカン待ちテンパイ。ツモれば符ハネで1300/2600、なら満貫の仕掛けだ。ここでドラのを離す。
これを北家の高宮がポン。満貫のテンパイだ!がフリテンの為、打でテンパイを取る。
そこに瑞原が持ってきたのは……