文・中野巧【木曜臨時ライター】2025年11月20日
『調子が悪ければリャンメンではなく、シャンポンに受ける』
『リーチ最速手順が強い』
『6ブロックにするな』
麻雀はその時代、時代でマジョリティが変わってきた。
人類史上、最も計算と情報伝達が速い現代、麻雀のセオリーもめまぐるしく変化している。
いまはこれまでの変遷を知れる時代でもあるため、個性的な選択を楽しめる環境になりつつある。
今夜は所属、世代もバラバラな麻雀プロ数名と試合を観戦していたため、その時、みなが盛り上がった個性的な局をご紹介したい。
第2試合
東家:二階堂亜樹(EX風林火山)
南家:下石戟(BEAST X)
西家:竹内元太(セガサミーフェニックス)
北家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
【今日の着順と選手短評】
1着:竹内元太
点数を持つと、これ以上厄介な存在はないほど慎重な打牌をするタイプで非常に我慢強い。
・・・②
2着:下石戟
読みに自信があり、彼からしたら「当たり前」、観てる側は「なにそれ」と思う選択があり、見ごたえがあるプレイヤーだ。見た目はおとなしそうも、またトークが面白いのも魅力的である。・・・③
3着:二階堂亜樹
ここ最近で麻雀がガラリと変わった、以前に比べ仕掛けや攻める場面が多くなり、勝利につながるアガリは自分で決め切るタイプ。・・・①、②
4着:堀慎吾
本人曰く、20代でめちゃくちゃ勉強して強くなった努力型の天才。Mリーグで最も強い人ランキング上位3名には必ず名が挙がる。・・・②
(記述している番号の部分でピックアップ)
① 二階堂亜樹、「ドラは恋人」はもう古い?
南1局
「ドラは恋人」
これは「ドラは大事にしましょう」という意味で、麻雀教室で講師が1回は必ず言う(?)セリフであり、二階堂亜樹のキャッチフレーズでもある。
3巡目に自風の
をポンした亜樹は、5巡目にドラを必ず使うイーシャンテンにするか、テンパイしやすい方にするか、選択を迫られた。

亜樹はここから打
。親ということもあってかテンパイを重視し、場合によってはドラを切る構えにした。
ここで隣にいた日本プロ麻雀協会の平良将太は「ドラは切りたくないから
かな~」と見た目によらず強欲なことを言っていた。

次の巡目で
を引き、恋人を見切った。
親で連荘を重視したのだ。
ここで平良は「ドラは恋人だから大事にしたいなあ」と、実際には手数も多く、かなりシビアな麻雀を打つ人とは思えない発言をしていた。
結果はカン
のテンパイを入れた亜樹が、手牌が良い元太から
を仕留め連荘に成功する。
平良の方を向いたとき、彼はすでに別の話をしていた。
前局、見事にドラを残さず親連荘を決めた亜樹。
ドラドラの
、
待ちでリーチを打つも山には0枚。ただし親リーチに対して子がどこまで押せるのかという勝負に。
対して、仕掛けている元太と堀の手がこちら。
元太はカン
のテンパイで
、三色、赤で出アガリ3900、ツモれば1300-2600。
堀は1シャンテンもトップ目のため、そこまでアガるために無理はしない。
元太は無筋の
を引いて、中筋である
切り。打点は2000点と約半減。
ただし、親のリーチを交わすことができれば値千金のアガリとなるため、テンパイは継続。















