慎重な竹内元太の選択と下石戟のカンチャン残し【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/20 第2試合(麻雀チャンネル)】担当記者 中野巧

堀は【6ソウ】を引くも、元太が切ったばかりの【5ピン】を合わせ、オリる選択を取った。

元太がリーチに通っていない【3マン】をあまり悩まずプッシュ。
実際は【4マン】が元太からは4枚見えており、ノーチャンス。また亜樹が【3マン】【3マン】【4マン】から【4マン】切ってシャンポン待ちにしないだろうという読みもある。

この【3マン】切りをみた堀は、カメラが切り替わっているのにツモりにいかない。
このことに気づいたのがKONAMI麻雀格闘倶楽部滝沢和典だった。
「確かカメラが切り替わったあと堀はしばらくツモってなかった気がする」と。
そのうえで滝沢はこのときの堀の思考として「本来慎重派の元太さんから親リーチに中筋とはいえ【赤5ピン】を切っていて、その後【3マン】をほぼノータイムで切ってきたということは、相当4枚目の【4マン】を元太さんが持っていて、【3マン】を切ったと読んだはず」と解説した。

その後、元太が無筋の【6ソウ】を掴み、打【3マン】でオリに。
これで「堀は元太がオリたと思ったはず」と滝沢。

幸か不幸か、ドラ表示の【6ソウ】、一度は切った【5ピン】を引いた堀。
その後、テンパイが入る。


【4マン】は場に4枚見えていたため、切り出されるのは亜樹の当たり牌【2マン】

裏ドラが【2マン】で、亜樹がリーチドラ5のハネ満のアガリに。
このとき向かいに座っていたサクラナイツのスポンサーであるAMCの牧野さんがうなだれていた。
またその隣に座っている最高位戦日本プロ麻雀協会の友添敏之は元太さんが【3マン】を切った時点で【4マン】を持っていることに気づいたいわゆる「反射読み」がどの麻雀漫画で出てきたかを一人悩んでいた。

前局でドラを見切った亜樹だったが、今回はドラドラ裏3という結果をみて、ひとり「亜樹さんクラスになるとドラの方から寄ってくるんや」と思ったが、いうと失笑されそうだったのでやめておいた。

下石戟、衝撃のリャンメン外し
東2局

6巡目、親の下石の手牌である。

【1マン】を切って目いっぱい。
【7ソウ】を切ってスリムに。
この2つの選択が大半であろう。

悩んだうえ、下石が選んだ牌は打【8ソウ】
リャンメンよりも「すこぶる自信があった」カンチャンの【2マン】を残した。
下記【8ソウ】を切ったときの受け入れ枚数と大半が切る【1マン】【7ソウ】の牌の受け入れと種類だ。
実際に切る可能性がある【1マン】【7ソウ】のテンパイ枚数と種類は以下だ。
【1マン】→5種15枚
【7ソウ】→3種11枚
【8ソウ】→4種9枚

その後、狙い通りのカン【2マン】待ちでリーチに。

実際【2マン】は山に2枚、【6ソウ】【9ソウ】は4枚だったが、追いかけリーチの堀に放銃。
下石にとって悲しい放銃となったが、せめての救いは【6ソウ】【9ソウ】が先に顔を出さなかったこと。
私はこの局を観て「まだリャンメンかカンチャンか、どちらにも決められへんなあ」とぼやいていた。


滝沢は「亜樹が4枚目の【8ソウ】を切ったとき、下石は『ナイス! やっぱり【6ソウ】【9ソウ】は誰かの手にかたまっている』と思ったかも」と選手の心の細部を教えてくれた。

実況の日吉辰哉もいうように、下石はしゃべりもこの打牌のようにユーモアがあり、Mリーガーになって以降、急激にファンが増えている。
私としては個性的な選択は大歓迎だ。
視聴者の方はもちろん、今日のような場でわれわれも話が盛り上がり、よりMリーグを楽しめるからである。

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