実は… さっきから
足が震えている…!
見ろ…!
ドラ表示牌6sの左…!
裏ドラ表示牌は4p…!
つまり……
文・越野智紀【金曜担当ライター】2021年10月15日
重厚な打ち手が集まった1戦は最年長Mリーガー沢崎誠の強烈な一撃が決まり個人2連勝。
オンラインパブリックビューイングの日ということもあり、多くのKADOKAWAサクラナイツのサポーターを歓喜させました。
沢崎選手といえば感性も大事にする打ち手で
東1局の黒沢選手の2,000オールのアガリを見て、
「黒沢さんにしては点数が安いなと、絶好調では無いのでチャンスはあるんじゃないか?」
そう感じていたみたいです。
にわかには信じ難い話ですが、
その時の沢崎選手をカメラが捉えていました。
言われてみると、チャンスありって思ってるような感じです。
独特ですし敏感すぎます。
その後、序盤でリードしていた黒沢選手がラス目の村上選手に12,000を放銃して接戦になると
黒沢選手の親番で沢崎選手がリーチツモドラ赤赤からの裏ドラ4枚。
東1局でのイメージが形となって現れました。
もう一撃で根こそぎ持っていく津波のようなアガリってやつですね。
「ベストを尽くして、楽しんで良い結果を残せたらと思います。」
開幕前のコメント通りに邁進する沢崎選手は、この日のインタビューでも終始笑顔で2戦目の内川選手にバトンを渡しました。
その一方で、楽しみながら良い結果というような雰囲気ではないのが
近藤選手と村上選手です。
二人は同期で同じ舞台で戦い続けて互いに多くのタイトルを獲得しているので、強敵と書いて友と読むみたいな関係かと思いきや
「どっちかがどっちかを殺してやるぞっていうのを24年間やってきた」
実際はこんな恐ろしい関係になっていました。
これは一年前に近藤選手が村上選手について語った時の言葉なので、現在では25年間に更新されているはずです。
穏やかじゃない比喩表現も入っていますが、それとは別に村上選手のことを自団体の宝とも評していた近藤選手。
命を削って戦い続けた二人の間にはライバルとか仲間とかだけでは表現しきれない特別な『何か』がそこにはあるのでしょう。
お互いを深く理解しているが故に生まれる一打も観る側にとっては大きな楽しみの一つで、この日の対戦だと東4局
と綺麗に並んだ好配牌をもらった親番の村上選手は、一打目にを選択して地味な捨牌を演出していました。
そして西家沢崎選手の切ったをポン。
さらにはも出てポンをすると、北家近藤選手にツモ番が回ってくる前にと待ちで12,000のテンパイです。
やっとツモ番が回ってきた近藤選手の手はまずまず整っていましたが、すでにが浮いています。
いきなりクライマックスです。
役牌ぶん投げ競争は出遅れたら致命傷。
左手の近くにあるも
「他の人がもう1種類を鳴かせる前に、Youが先に切っちゃいなよ。」
と囁いているようにも見えます。
先に危険牌を打って得するケースも損するケースも両方あり、何手も先の優劣を見極めるのは非常に難しい問題です。
ただし今回の場合は、仕掛けた相手が四半世紀見てきた村上淳。
ここで運に身を委ねた安易な選択をすることは近藤誠一自身が絶対に許すはずがありません。
まず村上選手の捨牌に注目するとの切り出し。
遠すぎるホンイツの場合には字牌が手に温存されがちで、後から出てくることが多くなります。
もし静かな捨牌にしたいという意志が入っているなら、それは手が良いケースが多いです。
一打目のの選択やポンの雰囲気など全てを含めて近藤の出した答えは