「私はここにいる」二階堂亜樹が4年間で一番攻めた夜 【Mリーグ2021観戦記10/12】担当記者:ZERO

南1局1本場 焦点の一局

この日、一番のぶつかり合いを見せた。

リードは広げるものだ… 亜樹がダメ押しになりそうなメンタンピン高め三色のリーチ。
捨て牌に【3ピン】【4ピン】が並んでいて、高め【2ピン】は狙い目になっている。

既に【白】をポンしてテンパイを入れていた堀も

ドラの【北】をぶっ放して全面戦争の構え。

空気読めと言われた上にここまで出番がなかったが、ここで3900は4200とリーチ棒をゲットできれば下の三つ巴から少し抜け出せる。

そのドラ【北】を北家の瑞原がポン! 瑞原も引かない。

囲まれた形になったのが丸山だ。

全員に対しての安全牌がない。

ドラポンに親リーチ… そして下家の堀はテンパイ濃厚。

まさに緊急事態宣言だ。

みなさんなら何を切るだろうか?↓

【2ピン】【5ピン】【8ピン】【5ソウ】【8ソウ】は全員に通っておらず、見るからに危険なので除外。

亜樹の現物である【5マン】は堀と瑞原に危険で、堀の現物【6マン】は亜樹と瑞原に危険。

頭がこんがらがる状況の中、丸山がウルトラCを見せる。

丸山「カン」

放銃率という一点においてはこの選択が優れている。

なぜならリンシャン牌から

安全牌をツモってくるかもしれないからだ。

丸山が窮地を脱した後、ピンチになったのが堀。

通っていない【8ソウ】をツモってきた。【8ソウ】【5ソウ】のアンカンが入っている上に生牌

縦にも横にも当たりうる危険牌である。

(今日はワイの日じゃないのか…)

そう悟った堀は【8マン】のトイツに手をかけた。

その【8マン】を見て手が止まったのは瑞原である。

【8マン】をチーすれば満貫のテンパイだが、【1マン】は亜樹のリーチにも堀にも危険牌。

何やら瑞原がぶつぶつと呟いている。

堀がオリたのかの推測、亜樹に通っている筋のカウント、点棒状況…それらを確認し、【1マン】を押すに見合うかを検討していたのだ。

瑞原「チー」

意を決して前に進む。

浮いていた【1マン】は無事通過。テンパイに成功した。

宝が眠っているか、蛇がいるか… あとはめくり合いだ。

瑞原か…

亜樹か…

熱いめくり合いに心が揺さぶられていく。

結果はテンパイを取りにいった丸山の【7ピン】を捉え、瑞原が制した。

こうして瑞原が2着をもぎとり、そして亜樹が逃げ切った。

鮮烈の攻めを見せた亜樹だったが、卓を離れれば

いつものかわいらしい笑顔が弾ける。

亜樹は「ここ最近の中で一番手が入っただけ」と謙遜するものの、いつもなら6000オールを守りにいって、あわやまくられていたかもしれない。

それくらい瑞原や丸山も気合が入っていたし、もう1人は実力者の堀である。

入った手をしっかり前に進め、2の矢、3の矢を放ったからこそとれたトップだと言えよう。

こういう言い方は良くないかもしれないが、女流対決とは思えないほどの緊張感が走っていたよい半荘だった。囲まれた堀もたじたじだった。

エンタメと言われがちな昨今のMリーグだが、今夜のような真剣勝負を魅せてこそ最高のエンタメになるのだ。

45分でラスを引く~♪

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