ギャンブルは
確率と逆数がキモ
私はタモリさんのファンなので、かつてタモリ倶楽部に出演したのがちょっと自慢です。
昔話は横に置いて、先月の近代麻雀の付録はみーにんさんの「統計学の麻雀戦術」の小冊子でした。
冒頭ではサイコロを使った損得計算で統計の前にまず確率のおさらいをして、なぜ統計が麻雀に役立つのかを解説してくれてます。
次に時間をタモリ倶楽部よりも遡って、私が学生だったころ幸運にも確率の本に出会いました。
当時すでに古典だったダレル・ハフの「確率の世界」「統計でウソをつく法」などです。
この時の学習が後のギャンブルライターの仕事に役立ちました。
再度タモリ倶楽部の話です。
前にも書いたので既読の方はご辛抱願います。
この時は二択のクイズに各自の持ち分のカニ缶を好きなだけ賭けるというもの。
ハズレだと没収され、当たれば賭けたカニ缶の他に2倍貰える。
「待てよ、1つ掛けて当たる確率が2分の1なら、配当は賭けたカニ缶込みで2倍の2缶が公平ではないのか?」
逆数ですね。
1/2に2/1を掛けると1になるというアレです。
すぐ気づけば格好いいのですが、私が気づいたのは破産し、借カニ缶をした後でした。
その後は破産しない程度になるべく多く賭けて期待値通りに挽回、なんとか勝つことができました。
「さすがギャンブラー」
プロデューサーが欲しかった絵面なのかもしれません。
他のバラエティ番組のギャンブル特集に出た時のことです。
島本慶さんの編集プロダクションで、確か末井昭さんたちも交えチンチロリンで遊んでいる所へ、テレビクルーが入って来る設定。
チンチロリンというのは、ドンブリの中にサイコロを三つ投げ入れて、その出目で勝負。
ちょうど私がサイコロを振ってゾロ目か何かでかっぱぎ(大勝ち)。
そのまま番組が進行し
「さすがギャンブラー」
僅かに親が有利になるルールですが、親は順番にやるので基本的には必勝法の無いギャンブルです。
パチンコ番組で私がお笑い芸人さん3人組にコーチするという企画もありました。
その日は勝てるクギの台が多くあり、しかも攻略法が多少効く機種だったので楽勝。
これも当たった時の払い出し金額以下の投資で当たりに辿り着けるかどうかが分岐点。
換金率や大当たり確率や平均連チャン率など複雑になりますが、基本的には期待値計算で勝てるギャンブルです。
複雑になればなるほど、分岐点ボーダーラインの算出が難しくなるので新機種には慎重さが必要。
さて麻雀は役の難易度と得点のバランスがあまり適正でないので、費用対効果の高い役を狙う戦術と、同じく費用対効果の高い着順を狙う戦略が大事になります。
同時に満たしやすいのは、1ハン役を重ねてマンガンと、トップを狙う、です。
冒頭のみーにんさんのデータはオンラインゲーム天鳳の高段者の闘いから採っているそうです。
ご存知のように、天鳳はラスに厳しい得点配分なので、フリーのトップとチップが有利な麻雀とは少し違います。
麻雀プロ団体独自のルールでももちろん違うでしょう。
自分の属するコミュニティのルールの巨大なデータが欲しい所ですが、ネットのようなケタ違いのデータは採れません。
自分の持っている少ないデータも必勝法も正確ではないかもしれませんが、自信を持って闘えばそれなりの勝率アップに繋がります。
対人ゲームですしね。
ホンイツより
のみキックより
リーチ
「山ちゃんの奨める棒テン即リーはダメ。全然アガれないもん」
麻雀を遅くにやり始めた友人の末井昭、元白夜書房編集局長です。
ダマテンにしたらアガれるようになったとも。
アガりたい気持ちは分かるんですが、トップに繋がるようなアガり、トップから転落しないようなアガリにしたいですよね。
もう一つ、チップが拾えるようなアガリ。
フリーで一般的なトップ以外の点差配分は千Pから二千Pです。
チップは五百が多い。
「六千点オールのチップ2枚」はトップ余分に1回分、子の役マンにも匹敵する収入です。
アガり率が半分になっても、トータルでは見合いますよ。
アガリ率半分の逆数は2倍ですが、得点(カニ缶)はだいたい3倍と有利(カニ缶)なんです。
ワキの鳴きに鳴き返して安くアアガるのはもったいない事が多い。
かつてフリー麻雀のことをリーチ麻雀と呼んでいました。
少ないデータからリーチのおもしろさ有利さに気づいたネーミングのように思います。
麻雀は得点と失点の繰り返し。