遅れてきたシンデレラ 丸山奏子が紡ぎ出す赤坂ドリブンズ2021シーズン最後のシンフォニー【Mリーグ2021観戦記3/10】担当記者:ゆうせー

【6ピン】とする。ドラは【5ピン】【4ピン】【5ピン】がすでに残り2枚ずつになっているので、先切りの意図も込めつつドラ周りは1ブロックに固定。

また、早々と【9ソウ】を切っている者が二人もいるので、【8ソウ】周りでメンツが出来ることにも期待した一打だ。

次の手番で、

狙い通りの【7ソウ】を引き入れて打【5ソウ】

その後、

10巡目にリャンメンとリャンカンのイーシャンテンに漕ぎ着ける。

今シーズン最後の親番になるかもしれない。なんとしても間に合わせたい。

その思いは、

通じた! 間に合った!!

12巡目の先制リーチ。

丸山の一発目のツモを見て、

私は鳥肌が立った。

そこにいたのはアガリ牌の【4ピン】

裏ドラも乗って、リーチ一発ツモピンフドラ裏の6000オール。

一撃で追いついた丸山。

混沌としてきた中で、

南2局1本場は、魚谷が先制リーチ。ラス目であることに加え、巡目も考慮して折り合いをつけた格好だ。

このリーチは流局。

全員横並びの状態で、勝負は南3局2本場へ。

丸山の第一打は、

なんと【5ピン】

縦の手を本線として、トイトイになったときに【6ピン】を盲点にするための布石を打った。

鮮烈な一打だ。

確かに場に1600点あるので、通常は少し仕掛けを躊躇するような2600点のトイトイも、ここでは価値のある手となる。

私はこのとき、

丸山が南1局で七対子に決め打った、アンコからの【2ピン】切りが脳裏に浮かんだ。

思い切りの良さは丸山の大きな武器だ。

この南3局2本場は、

さらに縦で使いづらい【4ソウ】【6マン】を並べていく。

さらに【8ソウ】を引いて、なにやら方向性が変わってきたぞ…

と思った瞬間に、

なんと6巡目には789三色のイーシャンテンに!

そうか、

巻き戻して3巡目。場に【8ピン】が2枚切れ。重なりが魅力で残していた【9ピン】に薄い【8ピン】がくっついたとき、ここで789三色も視野に入れていたのか。しかも場況から【7ピン】の受けは絶好。また、789三色にならずとも、メンツ手の中にはツモり三暗刻への道もある。

独創的な手順。卓上を見つめる目。

こういった丸山の表情を、もっともっと今シーズン見たかった。そう感じているのは私だけではあるまい。

今季は「丸山を出してほしい」という声がYouTubeやSNS等で上がり、物議を醸した。実際、この日丸山は、1/27(木)以来の登板となる。2021シーズン終盤のボーダーラインを巡っての攻防では、丸山の姿を見ることが出来なかった。

もちろん丸山は人気の高い選手なので、単純にたくさん見たかったという声もあるだろう。だが、今季はファンの中でも戦力として期待する声が大きかったように感じる。

その声の大きさこそ、丸山の実力がぐんぐん伸びてきていることの証左ではあるまいか。

例えば、丸山がチームに加入して1年目であれば、このようなムーブメントにはならなかったように思う。「実績のある3選手に託す」という選択も、たしかに、と納得した方が大半なのではないだろうか。

しかし、今日打牌を紹介したように、今季の丸山はMリーグの舞台で十二分に戦えていた。スコアとしても、この試合までの11戦で+61.3。チームに貢献している。

元々は「育成選手」という立ち位置でドリブンズが獲得した丸山だが、数字を見てもファンの声を聞いても、入団以来の育成は成功し、丸山は強くなっているように感じる。

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