遅れてきたシンデレラ 丸山奏子が紡ぎ出す赤坂ドリブンズ2021シーズン最後のシンフォニー【Mリーグ2021観戦記3/10】担当記者:ゆうせー

そして、Mリーグはチーム戦だ。苦しいときに丸山を使い、もしトップならばムードは最高潮。仮にマイナスになったとしても「大丈夫だ! 俺が取り返してきてやるよ! 見とけ! まるこ!」とオジサンズの発奮材料になる。

終盤という難しい局面だったからこそ、ピンポイントで起用する策はあったのではないか、という思いが今季はどうしても拭えない。

もちろんこうやって後出しになってしまうのは申し訳ないし、「実績のある選手で固める」という起用法にもメリット、そしてチームの方針があるのは重々分かる。

また、そもそも暴言での要求は絶対にダメだし、誰が出てきてもその選手を応援する、というのがファンとしても素晴らしい姿なのもまた分かる。

だが、今シーズンの内容が良かっただけに、イチMリーグファンとして、勝負どころでの丸山起用が見たかった、というのが偽らざる本音だ。

ただ、一つ言えることは、今日の打牌を見るにつけても指導役である園田、村上、たろうという三人の色に、丸山の色が混ざり合って、丸山独自の麻雀が生まれようとしているということだ。

シンフォニーには「色々な異なる要素が混ざり合って、ある効果を生み出すことのたとえ」という意味もある。

まさにドリブンズが生み出した、「はなまるシンフォニー」丸山奏子。進化してゆく丸山の麻雀を見るのが、今後も楽しみだ。

この局は、

多井が【發】を仕掛けて、魚谷から1000は1600を出アガリ。

さぁ、全員集合してのオーラスだ。

まず動いたのは4着目の魚谷。【白】をイチ鳴き。狙うはピンズのホンイツだ。

最初にイーシャンテンになったのは、

瑠美だった。七対子のイーシャンテンながらも、魚谷のピンズ模様を察知して字牌の【東】を打ち出す。

丸山もイーシャンテンに。赤を使っているので条件は満たしている。ドラを打って臨戦態勢。

次に映った瑠美は、

【赤5ソウ】を引き入れてのテンパイだ!

このままでは、魚谷や丸山からの出アガリではトップに100点足りないが、

次の手番で【9ピン】に待ちを変えてリーチ敢行!

【9ピン】は、ピンズの染め手こそいるものの、場に【8ピン】が見えていて余りやすい牌だ。

瑠美のリーチを受けた、トップ目親番の多井。

現物の【6マン】を打ってイーシャンテンをキープ。

次に多井がツモったのは、

【8ソウ】! テンパイだ!!だが待ちは愚形。出ていく【3ピン】も瑠美と魚谷に通っていない。

多井は、

いった! リーチだ!!

上家と下家の河を見ると、【7マン】待ちが明らかにいい。巡目が浅く、オリて他家のアガリが出たらトップはほぼないだろう。逆にここを制すれば優勝がグッと近づく。勝算十分と見ての踏み込みだ。

また、素点の小さい2着では今シーズンの+200ptを達成出来ないと、いうこともあったか。

「チー」

魚谷も粘る。

【3ピン】【4ピン】【5ピン】でチーして打【東】

浮いている瑠美への当たり牌【9ピン】が、見る者をそわそわさせる。

丸山は、

現物の【3ピン】を切って、受け気味の選択をとった。

前提としてフラットに打つことを選びつつ、多井のアガリならば局は続くので、次局以降の可能性に賭けた。

瑠美も多井もツモ切り。魚谷が持ってきたのは、

ドラの【2マン】であった。

大きく息をついて魚谷は、

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