石橋は終始、「この試合のあと」を見据えていた。チーム戦に徹していた。
自分の運命すらかかったこの試合で、石橋は仲間を信じて、この後の3戦での逆転を信じて、やるべきことをやってきたのだ。
いかにもU-NEXT Piratesらしい麻雀ではないか。
魚谷がを切ったあとも、
トイトイを警戒し、対子の牌から落としていく。
ドラのを重ねた! はないものの、ドラが鳴けたら凄まじい手になる!
次の石橋のツモは、
だった。
「ロン」
これに堀の声がかかる。七対子、1600点のアガリで試合終了。
大仕事を果たした堀がトップ。どこよりも早くファイナル進出を決定づけた。
安定した立ち回りで多井が2着キープ。魚谷も3着となったが、Piratesより上の着順で終えられたのは好材料だろう。
そして石橋。ボーダーを争うフェニックスと1着順の差で終えられたのは、序盤の悲惨な展開を考えると耐えたと言えるだろう。
見ている我々は、選手を信じて祈ろうではないか。
折り重なった祈りは、運命を変えるかもしれない。
京大法学部卒の元塾講師。オンライン麻雀「天鳳」では全国ランキング1位。「雀魂」では4人打ち最高位の魂天に到達。最近は、YouTubeでの麻雀講義や実況プレイ、戦術note執筆、そして牌譜添削指導に力を入れている、麻雀界では知る人ぞ知る異才。「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」の著者であり、元Mリーガー朝倉康心プロの実兄。x:@getawonarashite