【西原理恵子 & 山崎一夫】期待値の概念の変遷!

期待値の
概念の変遷

「あそのこランチ、期待値以上の味だったね」

若い女性の期待値という確率の用語に驚きました。
Twitterで検索してみたら、「俺の人生の期待値なんて、たかが知れてるし」なんてのもありました。

定義は「期待してる値」って文字通りのようです。

確率や統計では「平均の値」とこれも文字通りですが、30年以上前から今までに、使われ方がだいぶ変わってるようです。
私が初めて知ったのは40年ほど前読んだ講談社ブルーバックスのダレルハフ著「確率の世界」「統計でウソをつく法」など。

「もっと詳しく日本人が書いたものはないか」

と探しましたが見つけられませんでした。
ネット無いですからね。

高校時代から「生産工学入門」などの理系の学習はしてたのですが、期待値は出てきませんでした。
それから少したって、一般向け科学雑誌「Newton」が発売。

創刊号の特集はほぼ初めて日本で紹介された「プレートテクトニクス理論」です。

私は高校時代から地学が好きで、大学受験は地学を選びました。
たぶん100点に近く、英語は最低必要得点だったと思います。

英語の自己評価は正しいと思うので地学が100点近くないと無理という推理です。
一般向けとはいえ科学雑誌ですから、確率や統計の記事はよく特集されます。
それも役立ちました。

話が少し飛びますが、私は原発に反対の立場ですが、そのキッカケも「Newton」です。

プレートテクトニクス理論では地震や火山の仕組み、原発の理論や構造、それに(事故の)確率や統計を考え合わせると、「どうも損なような気がする」という素人なりの結論になったんです。

その後私はパチンコの攻略ライターを15年くらいやってたんですが、期待値という概念がギャンブル業界に定着したのはこの頃です。

「千円の投資で1050円の回収」
「1時間あたり平均1500円の儲け」

時には、

「この攻略法を使えば時給五千円」
なんてものありました。

この頃、パチンコやパチスロの記事に「千円の投資で期待値105%」など比率で現わしたのも出るようになりまた。
言わんとしてるのは期待値50円という値ですが、百分率のほうが実感しやすかったんです。

「50%の連チャン率の台は、平均何連チャンするか」(2連チャン)

値の計算ために%が出てきます。 機械相手のゲームで、ツキも流れもありません。

期待値は統計や確率の専門家や学生の用語でしたが、パチンコファンの間で、少しニュアンスを変えながら定着し、今ではさらに日常語に変化して使われているんですね。

 

ブラフではなく
打点実績が大事

パチンコやパチスロは、確率的統計的な必勝法が確立されていますが、麻雀の場合は複雑すぎてかなり難しそうです。

「テンホーのできる確率は1/33万」

だそうですが、これは牌の組み合わせから導かれた数値です。
これを先見的確率といいますが、実戦には不向き。

一方、サイコロ博打とその配当やパチンコのボーダーラインを計算するのには最適です。

「リーチ一発が出る確率は1/10」

こちらは経験的確率・出現率・すなわち統計です。

統計の元になったデータがどのようなもので、どの程度の量なのかは分かりませんが、自分の腕前やメンツによって多少変わってきます。

フリーで毎日麻雀を打っていると、リーチを受けても一発をほとんど気にしない人もいるし、「死んでも振り込みたくない」という雰囲気の人もいます。

一発放銃のマイナスの期待値はとても大きい、ということを経験的統計的に実感しているんでしょうね。

「一発放銃はいくら損か?」

という統計は見たことがありませんが、得点・ご祝儀・順位点・トップ賞などコミコミで、

ゲーム序盤マイナス一万点。
中盤二万点、終盤三万点。

くらいに私は考えてます。

メンツによる甘い辛いの違いも考慮に入れましょう。
一発を避けるというのは対人ゲームでは大事です。

簡単に放銃すると思われると、さらにリーチを誘発します。

逆に悪形迷彩高得点リーチにキッチり降りられたり、悪形安手リーチに反撃されたりすると、その後リーチ率が下がり、フーロ率と和了率がアガリ、平均打点が下がります。

こちらの和了率も下がりますが、まあいいでしょ。

フリー麻雀は不特定多数の人と打つので、相手に対するイメージはセット麻雀に比べると薄い。
相手にとってもそれは同じで、私たちの自己イメージは相手にそれほど伝わっていません。

「俺の平均順位が2・3を切ってるのを知らないの?」

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