【 #神域リーグ 第8節観戦記】第22試合 リーチ超人に挑め！ 最高峰のMリーガーに　新進気鋭の雀士達が挑んだ結果 【文 #後藤哲冶 】

この局の天宮の配牌がこれだ。

ここから天宮はの対子落としを選択。
柔軟な１打なように見える。基本的に赤牌がある麻雀のセオリーは、内寄せ。つまりはタンヤオだ。
天宮の手はの対子落としが完了すれば、を引いてこない限りタンヤオが確定する。

少し巡目は進んで、この牌姿。
何を切るのが正解だろうか。
うっすらと２３４三色が見えなくもないが……。

天宮はを切った。瞬間がロスにならず、を雀頭固定。
現在トップ目に立つ天宮のテーマは局流し。手役にこだわらない良い一手ではないだろうか。
天宮はこの後狙い通りタンヤオのテンパイを入れることに成功する。

これが後がない親で満貫のテンパイを入れていた渋谷から出る。
途中村上も満貫のテンパイだったことを考えれば、あまりにも大きい２０００点。

……渋谷のお父さん（？）が本配信で絶叫していたが、えっと……とにかく、天宮がタンヤオに寄せた手組みをして、そして最後には少しだけ踏み込んで。局を流すことに成功した良い一局だった。

勝負は南２局へ。
一度のアガリを挟んで、村上が連荘。トップ目の天宮に迫る。

村上の配牌。
良いとは言い難いこの配牌でも、最高峰の舞台で躍動する村上にとってみればなんのその。
この程度の配牌いくらでも仕上げてきた。
リーチ超人と言われてはいるが、だからといって仕掛けができないわけではない。

いや、むしろリーチが厳しいとなった時にアガりへの道筋を立てるのが非常に上手い。
そうでなければ、数多のリーグ戦、タイトル戦で勝利を重ねることはできない。

カンのチーから発進。
ピンズのホンイツだ。役牌２種で、アガれば満貫。
一気にトップ目の天宮を捉える。

終盤に、この満貫をツモり上げる。
手牌の構想力は流石と言う他ない。
きっと自配信でも堂々たる振る舞いをしているのだろう。

「え～ドキドキする～本物の牌の方がドキドキしないのに～」
「やめた方が良いよ。ピンズとかもう切らない方が良いよ？　ね？　」
「うれしーの。うれピーマン」

……うん。堂々たる振る舞いだな。ヨシ。（大先輩故に変なことは書けません）

そんな村上がトップ目のまま、第２２試合はオーラスへ。

親も落ちて後がなくなった渋谷に、テンパイが入る。
しかし待ちはカンで、ドラも出て行ってしまう。
これでは仮にツモれたとしても満貫止まり。３位の天開を逆転するには至らない。

「ぐぬぬ……」
決断を迫られる渋谷。

悩んで、時間一杯を使った渋谷の選択は……。

打ち……！

素晴らしい選択だと思う。を引いてドラ待ちでも良いし、を引いたらフリテンもアリだ。
もちろんピンズ先埋まりでも問題ない。

そしてこの素晴らしい選択の先に待っていたのは。

望外の引き！
待ちの跳満テンパイ。
最高の形になった！

リーチだ！