真っ直ぐにを打ち抜いた!
瀬戸熊もまた、一歩も引けないのだ。
勝ちたい気持ちは皆同じ。だが、この半荘の勝者は1人。
「ツモ」
今宵、麻雀の女神は伊達に微笑んだ。
安堵する伊達。
苦しい、本当に苦しい園田。
朱く色づいた空間に、伊達の水を飲む音が静かに響いていた。
伊達の武器である「中盤の受け」が光った試合だったが、やはり勝因となったのは、
南1局で、園田の仕掛けにこのを手に留めたことだろう。
このシーンについて、伊達はインタビューで、
「滝沢さんが勉強会のときに、『第一打がのときはがトイツのことが多い』と教えてくれた」と語っていた。
同じことが、
オーラスにも当てはまっているのが面白い。
また、
「オーラスは園田さんから以外でもアガる、と寿人さんも言いそうです」というニュアンスのことも話していた伊達。
今シーズンにモデルチェンジが成功している高宮もそうだが、チームでの練習や意見交換が上手くいっており、選手の麻雀に厚みを増している、という感がある。本当に素晴らしいと思う。
伊達はタキヒサに学び、我々は伊達に学ぼうではないか。
この試合の勝利で、伊達は現在個人スコアNo.1。
今年もやはり、伊達朱里紗の麻雀から、目が離せない。
京大法学部卒の元塾講師。オンライン麻雀「天鳳」では全国ランキング1位。「雀魂」では4人打ち最高位の魂天に到達。最近は、YouTubeでの麻雀講義や実況プレイ、戦術note執筆、そして牌譜添削指導に力を入れている、麻雀界では知る人ぞ知る異才。「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」の著者であり、元Mリーガー朝倉康心プロの実兄。x:@getawonarashite