麻雀の実力に速さは関係あるのか 今期最速半荘に考える打牌速度の意味【Mリーグ2022-23観戦記11/22】担当記者:ZERO/沖中祐也

【5マン】を静かに押した。

ここからは私の推測であるが、岡田は本田の逡巡を見逃さなかったのではないか。
本田は3フーロした直後

ここからの待ち取りに一瞬迷った。
【2マン】を切って変化を残すか、いや【4マン】を切ってもツモ【5マン】【6マン】【8マン】はキャッチできる(456の三色にはならないが)。さらに危険な【7マン】を先に逃しておく、という手もある。【4マン】【7マン】【7マン】【7マン】の4センチはあまりに危険すぎるので十分考えられる選択だ。

その一瞬の迷いを岡田は見ていたとしたら?
単純な【2マン】【4マン】【6マン】からの打【2マン】なら迷うことはないだろう。待ちとしてはカン【3マン】が少し良いが、打点が2900と12000ではあまりに違いすぎるからだ。

【2マン】【4マン】【4マン】【6マン】【8マン】
【2マン】【4マン】【4マン】【4マン】【6マン】

とかなら迷わず【2マン】を切るはずだ。
迷って【2マン】を切る牌姿ってなかなか思いつかないが

【2マン】【2マン】【2マン】【4マン】【6マン】 ★
【2マン】【3マン】【3マン】【4マン】【6マン】 ★
【2マン】【2マン】【2マン】【6マン】【8マン】
【2マン】【2マン】【4マン】【6マン】【6マン】
【2マン】【3マン】【3マン】【6マン】【6マン】
【2マン】【4マン】【4マン】【5マン】【6マン】

とかだろうか。
本来は「間読み」なんて要素は考慮に入れないのが吉だ。
今回の例でいうと、迷って【5マン】が当たるケース(★)だって存在するし、逆手に取られ迷ったふりをされたら致命傷を負うことになる。

私自身も3フーロした際は一定のリズムをとって切るようにしている。
それは決して相手を騙そうとしているわけではなく、間で読まれないための防衛策のようなものだ。

つまり「迷った」という根拠で突っ込んでいくには、あまりに穴がありすぎるのだ。

それでも、岡田のように押すかどうかギリギリ迷うような手牌では、ほんの1パターンでも消去できていることが押す要因になりうるとも思っている。
よくみたら【7ソウ】【8ソウ】も通っていない。
【2マン】【4マン】【4マン】【8ソウ】【8ソウ】
なんてケースだってある。

岡田が迷ったことをどれほど根拠に切ったのかは本人に聞いてみないとわからない。
ただシンプルに形と打点で押したのかもしれない。

いずれにせよ…

押し切った岡田にアガリは転がり込んだ。
【白】ドラドラの3900を瑠美から打ち取り。

11:35 東3局

寿人は5巡目に

スクショも追いつかない速度で【5ソウ】を切った。
一応チャンタを見ているのかもしれないが、実質のところは上家・瑠美の切った【5ソウ】に合わせてのベタオリである。

上家の親・瑠美が【發】をポンした直後だが、寿人だってこの瞬間に瑠美がテンパイしているとは思っていない。しかし、間違ってもドラもない形も悪いこの手牌で、放銃したり手詰まったりするわけにはいかないのだ。

それにしても早すぎる。あまりの高速オリに解説も実況も視聴者もついていけていない。
寿人さん、もうちょっと「ぐぬぬ…」となってくれませんかね。

しかし同卓者からしたらどうだろう。常に一定のリズムで切られ、押しているのかオリているのかよくわからない相手… かなりやりづらいのではないか。
私は、同卓したことのないMリーガーの中で打ってみたいのは寿人だ。おそらくモニターのこちら側で見ているより、実際に同卓した方が何倍も強く感じるのではないかと思う。
そして俺もそれくらいできるもんね!と強がってペースを合わせ、フォームを崩してずるずると負けていく未来までくっきり見える。

この局は岡田に鬼手が入った。

456の三色に赤三色!(赤三色=赤を3枚集めること)
現状のカン【8マン】より【9マン】を切って【4マン】【7マン】に受けたいところだが、対面の瑠美の仕掛けが気になる。

瑠美の最終手出しは【5マン】。その後に岡田自身が【1マン】を通しているだけに他の牌の危険度は上昇している。
安全に【3ピン】を切れば、テンパイは維持できる。カン【8マン】【4マン】【7マン】と言っても枚数は2枚しか変わらない。
しかし岡田は

 

強く【9マン】を切った。
もしかしたらもしかしたら… だが、やはり瑠美が【5マン】を切った時の迷いを見抜いていたのかもしれない。(実際に瑠美はこの時点でノーテンだった)

いずれにせよ、いるかどうかわからないマンズ待ちでは勝算は低い。
【3ソウ】【6ソウ】【4ソウ】【7ソウ】を引くか…

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