逆風に抗う小さな天才、麻雀の不条理が堀慎吾を襲う【Mリーグ2022-23観戦記11/28】担当記者:江嵜晋之介

このリーチを受け、一発目に【4ソウ】を引いてくる堀。苦悶の表情を浮かべる。


現物の【8マン】を切ればイーシャンテンを維持できるが、【7マン】の場況が良いため難しい。受け入れが一番広い【4ソウ】を強気に勝負する手もある。

堀は長考の末、【8マン】を選択した。


そして、無情にも次のツモは【7マン】。結果的に最短のテンパイを逃す。


内臓を直接殴られたような、痛すぎる裏目。今日の試合展開を象徴するようなツモ。
堀は腕を組み、思考を巡らせる。


堀はワンチャンスの【1ソウ】を選択した。
【1ソウ】を2枚落としつつ、【7マン】の回りを引いての復活を目指す一打だ。慌てず冷静に、最善の一手を探していく。


数巡後、当たり牌の【4ピン】【6ピン】を引き、カン【5ピン】のテンパイを入れる。
村上の【4ピン】【7ピン】が山3枚に対し、【5ピン】は1枚だけ生きていた。


なんと村上が最後の【5ピン】を掴み堀に放銃!
道中アガリの選択は逃したものの、その後の冷静な対処で競っている相手から大きな3,900点の直撃に成功する。

続く2本場は軽く流され南3局へ。
この地点で堀と村上の点差は16,100点と満貫ツモでも逆転されない点差までリードを広げていた。

ラスがほぼ確定したかに思われたが、堀同様つらい展開が続いていた村上に、強い追い風が吹く。


苦しい手ではあったが、他も中々手が進まず先制テンパイを入れる。
カン【3マン】でリーチをかけ最後の1枚をツモ。2,600オールを決める。

そして南3局1本場、早い巡目にリーチをかけた村上は最後の高目を引き当て、6,000オールを炸裂させる!


このアガりによって村上は堀を一気に突き放し、2着目本田と僅差の3着に浮上。
逆に堀は村上に18,700点差をつけられる。3着になるためには村上の親番で跳満をツモるか、満貫+αのアガりを決める必要がある。

南3局2本場
2巡目、本田が自風の【西】をポン。


ソーズのホンイツを目指す。
トップの滝沢とは4,100点差なので、アガることができればトップでオーラスを迎えることができる。

堀の5巡目の手牌。


七対子のイーシャンテンに。リーチツモ裏裏で跳満まで狙える手だ。
ソーズを払いたいが、【赤5ソウ】も逃せないため【9ソウ】から処理。


そして1つもトイツが被ることなく9巡目にテンパイ!
【3ピン】単騎で即リーチをかける。


山には残り1枚。追いかけている村上に親被りさせる最後のチャンス。


しかし、堀同様本田も逆転のテンパイを入れていた。
【6ソウ】を引き【4ソウ】【7ソウ】【南】待ち。【4ソウ】【南】それぞれ2枚ずつ生きている。


13巡目、本田はドラの【1マン】を引くもノータイム気味にツモ切り!
ラス目堀のリーチと考えると、高打点になる牌は中々押し辛いが、ここが勝負所と察し思い切りよく攻め抜く。


牌が味方したのは、またしても本田だった。
直後に堀が【南】を掴み、8,000は8,600点の放銃。

オーラスは攻めの姿勢を貫いた本田が自ら滝沢の親を落とし終局。
11月最終週初戦は雷電に軍配が上がった。

本田は個人3連勝を達成し、個人成績を5位までランクアップさせた。今期好調な雷電の立役者となっている本田、まだ誰も達成していない個人5連勝を目指すと語っていた。


そして堀。
あまりにも辛すぎる試合展開が続き、今シーズン5回目の4着となった。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \ほぼ毎日4コマ最新⑤巻 好評発売中/