堀は当然のポン。カン待ちでテンパイ一番乗りを果たす。見た目で満貫以上が確定しており、周りからすれば怖い。
親が明確に高打点という状況で、愚形ドラ1テンパイでは突っ込めない。小林はテンパイするも、現物のトイツ落としで回る。
本田も、リャンメン待ちとはいえ、役なしドラなしのテンパイでリーチは宣言できなかった。この状況で不用意に突っ込む打ち手たちではない。
回った小林がリーチで追いつくも、堀が押し切って4000は4100オール。これが決定打となり、堀が今シーズンのMリーグで初となる同日連闘・連勝を達成した。
ここまで全選手中最多の6ラスを食っていた堀だったが、一方で出場試合数もこの日の連闘で渋川を抜き、チーム最多の14戦となった。一時的に負けても、最終的には勝つ。堀に対し、チームからの絶対的な信頼があることが、数字からも見えてくる。そしてやはり、堀は結果を残す。ここまで低迷が続いていたチャンピオンチームの、巻き返し体勢は整った。
ただ、他チームとて黙ってはいない。多井の安定感はいわずもがな、小林は最終局に絶妙なテンパイ外しからピンフテンパイに組み直して2位をキープし、
本田も敗れたなかでギリギリの放銃回避を見せ、失点を最小限に食い止めている。
年始からのさらなる激闘を予感させる、4チームの2022年最終戦だった。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。