慌てず気負わずペン七萬【Mリーグ2022-23観戦記1/3】担当記者:越野智紀

慌てず気負わずペン七萬

文・越野智紀【火曜担当ライター】2023年1月3日

第2試合

東家:小林剛(U-NEXT Pirates)
南家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
北家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)

今シーズンのKONAMI麻雀格闘倶楽部は女性陣が絶好調。
第1試合で伊達選手がトップを取って勢いづくと

第2試合に登場した高宮選手は「謹賀新年、慌てず、気負わず、がんばります」とマイペースなコメントで試合に入りました。

東1局

並びシャンポン待ちのリーチをツモってハネ満をアガリ、幸先の良いスタートを切った高宮選手は

東2局

チンイツも見据えてピンズのターツ払いを選択。
いつも通りに腕が振れています。

白鳥選手の先制リーチを受けると、ペン【7マン】待ちの一盃口赤で追いついた高宮選手は元気よくリーチを打ちます。
試合前の慌てず気負わずの解釈は人それぞれ違うもので、ここでリーチを選択するのが高宮選手の良いところ。

これに捕まってしまったのが渋川選手。

残してしまった【7マン】でリーチ一発一盃口赤の手痛い満貫の放銃。
高宮選手はこの2回のアガリが決定打となり、チーム2連勝を奪いました。

この局、先制リーチを打っていた白鳥選手は

【8ピン】【8ソウ】のくっつきのイーシャンテンの段階で【7ソウ】に好感触を待ち、【3ソウ】【6ソウ】【7ソウ】【9ソウ】【5ピン】【7ピン】【8ピン】引きあたりは即リーチと思考の事前準備をしていたのですが

想定していなかった【西】に戸惑ってしまいます。

「ソーズが良いって話だったんだけど、なんか思ってたんと違う…」

少考の後、リーチを選択した白鳥選手。
このリーチ宣言時の迷いを他家が読みに入れるかどうかは難しいところで、みんな口では「その情報に左右されずに見えている部分で判断するべき」と言いますが、体は正直なので「何か不満を残したリーチっぽいぞ」と感じてしまいます。

実際にどういう手順を他家が踏んだかと言えば、

現物1枚の渋川選手。
選択肢は
①現物の【1マン】
②愚形には当たらなそうな【2ピン】
③リーチは見なかったことして【2ソウ】ぽいっちょ

親番でイーシャンテン、現物も1枚しかないので【1マン】切りは選びたくないところ。
【2ピン】は1枚通せばもう1枚安全牌が増え、少し迷ってのリーチに【2ピン】絡みの待ちが出てくるパターン少なそうです。
【2ピン】切りが攻守のバランス良い選択に見えましたが、渋川選手の選択は超強気の【2ソウ】切り。
これはピンズの下に自信ありといったところでしょうか。

次巡、嬉しい【5ピン】を引いた渋川選手。
ここでの選択は
【2ピン】切り
【5マン】【6マン】【7マン】引きで充分形。
【5ピン】引は一盃口の単騎待ち。
【8ピン】引きで役無し単騎待ち。
【1ピン】【4ピン】【6ピン】【7ピン】引きで役無しカン【6マン】待ち。
前巡でも述べたように【2ピン】は結構通りそうに見え、【4マン】【8マン】引きといった変化もあるのでオーソドックスな選択に見えます。

②現物の【1マン】【2マン】落とし
リーチ時に見せた少考のことなど気にせず、【2マン】が通ったので油断せず安全に再起を図る選択。
これは前巡に強気の【2ソウ】切りをしたところを見ると選ばなそうです。

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