新春バッチバチの女性卓
伊達朱里紗が全員テンパイの
オーラスを制す!
文・ZERO/沖中祐也【火曜担当ライター】2023年1月3日
新春キャットファイト
雀荘に… いや雀荘に限らずともだが、男性中心の場所に女性が1人いるだけで華やかな雰囲気になる。
不思議なものだ。別にその女性をどうこうしようという気はないし、なんなら会話すらなくとも、ただそこにいるだけで空間が明るくなるのだ。
そうそう、それでわざわざ女性に注文したはずのアイスコーヒーを野太い店長が持ってきて萎えることもある。別に誰が持ってきてもアイスコーヒーの味は変わらないはずなのに。
新春一発目の対戦は、そんな華やかな女性卓となった。
第1試合
東家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:日向藍子(渋谷ABEMAS)
西家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
という出だしで書こうと決めていたのだが、実際の卓上は決してそんな華やかなものではなく、バチバチとした気迫がぶつかり合う激しい戦いとなった。
*今回の観戦記ではいつもと違う、観戦記業界初の試みを施しています。終盤に発表するのでどういう試みか考えながら読んでみてね!
音速リーチアクション
まずはゴング直後に拳を合わせるかのように全員が一回ずつアガった後の東4局だった。
全員の表情がいい。瑞原は「楽しかった」と言い、伊達は「いつになく緊張した」と語る。
全員が世代の近い女性同士ということで意識せずとも力が入り、徐々に打牌リズムも早くなっていく。
6巡目だった。
岡田がここからドラのを切った。
は234の三色のタネでツモ切りとの選択だったと思うが、カンも悪くない。
岡田はこの半荘通じてドラを早めにリリースしていく場面が多かったように思う。
「攻めていく」そして「気持ちで負けたくない」という意思表示にも見える。
すぐに
ペンのテンパイ。234にならずドラもないということでここは迷わずにダマテンに構えた。
次にをツモ切り。を切ってマンズの伸びも見るという選択もあるが、がたくさん切られすぎていたのを見てダマテンを続行。
次の瞬間だった。
をツモり、まるで水が上から下に流れるように淀みなくリーチを打った。
ドラを切ってきたあとにノータイムでリーチを打たれたら勝負手が入っているように見える。特にラス目の岡田のリーチに対しては3者も押し返しづらく…
無事、流局。
もはや勝者の貫禄すら感じるドリンキング1人テンパイ。
(あんたラス目やで)
静寂にぶいちチョイス
瑞原の手が止まった。
ドラが4枚の超絶チャンス手。を切ってリーチといきたいが、いろいろ問題があって難しい。
問題は岡田の仕掛けである。
岡田(上家)はチー→打。
つまりチーの直前にが切ってあるというわけ。から先にを切るということは123の三色かイッツー、チャンタ系のいずれか。
本命である123の三色だった場合、瑞原の切りたいかが危険。
私を含む、多くの人はを切ると思って見ていた。
待ちは5枚見えで残り3枚、岡田が123の三色ならさらにが1枚減って残り2枚。
一方でを切ってシャンポンに受けると岡田がペン待ちだった場合4枚残りになる。
さらにいうと自分がと持っているケースでは、1枚持っている分の方が放銃率が高くなる。
理論的にも体感でも放銃率にかなりの差があるように思う。