決まり手は5万点持ちからの猛烈プッシュ 百花繚乱の舞台で黒沢咲が輝く!【Mリーグ2022-23観戦記1/26】担当記者:ZERO/沖中祐也

茅森から出てリーチ・タンヤオの2600。
打点こそ低いものの、随所に黒沢らしさが見える幕開けとなった。

さらに次局、今度は何を切る?(黒沢検定4級)

【9ピン】【8ピン】と切っていくとタンヤオが付くものの、受け入れが極端に狭くなってしまう。
【7ピン】【4ピン】)が広いが、黒沢が選んだのは

【8ピン】だった。【6マン】【8マン】が2枚ずつ打たれている、というのが大きいと思うがそうでなくとも黒沢は【8ピン】を切っていた気がする。
【7ピン】はたしかに受け入れは広い。しかしほとんど愚形待ちのテンパイで、特にツモ【6ソウ】なんかはリーチのみのカンチャンになってしまう。

それならば道は細くとも高打点を狙った方がいい。
それにしても【9ピン】ではなく【8ピン】から切り出すのがいかにも黒沢らしいではないか。

ドラをツモってタンヤオ・ドラドラの手牌。リーチを打つか?(黒沢検定3級)
待ちの【7マン】ダマテンに構えていればポロッと打たれそうな牌である。

答えは渚のリーチ!
黒沢麻雀の基本はツモアガリである。【7マン】が山にいそう、と感じたら他家からのポロリではなくツモアガリを目指すのだ。
手数が少なくなりがちなスタイルだけに、アガるときはきっちり高打点に仕上げないと採算が合わない。
黒沢の中でこの手牌は5200ではなく3000/6000なのだ。

「長いシーズンを通して、浮き沈みのないメンタルで戦っていくのが目標です」

相手が女性3人だろうと誰だろうと、黒沢にとってはあまり関係ないのかもしれない。
勝負は内面。いかに自分の麻雀を貫き通せるかの1点に尽きる。

黒沢の目論みどおり、カン【7マン】は山に2枚眠っていたが…

ツモれずに流局となった。

高打点を目指すも、なかなか実らない。
だがこんな展開は慣れたもの。ただ信じて待つのみ、私の麻雀が花開くときを。

小競り合いが続き、迎えた東4局の親番で「そのとき」がきた。

4巡目、黒沢はここから【4ソウ】を切り、【1マン】を残してほぼトイツ手への進行。

伊達からリーチが入った後…

残した【1マン】が重なって【2ピン】タンキの追っかけリーチを放つ!

河野&日吉「3枚?!」
2人がハモりながら、黒沢の待ちが全部残っていることを伝える。

「ロン、9600」

この5年間、何度も見てきた黒沢フェスティバルの幕開けを告げる声が会場に響き渡る。

続く1本場、ここから何を切る?(黒沢検定3級)

なお対面から打たれた【發】は、サウナの後は水風呂に入る、くらい当たり前にスルーしている。
【3マン】はドラそばということもあり黒沢はほとんど迷わずに

【發】を切った。
まだタンヤオが確定していないが、伸ばせる手はとことん伸ばす。

「リーチ」
黒沢警報が発令された。各員、衝撃に備えよ。

「4000は4100オール」

こうして最強の寒波より恐ろしい黒沢の連荘が示現した。
さらに圧巻だったのが2本場

対面の伊達のリーチを受けて、何を切る。(黒沢検定2級)
まっすぐ打つなら【8ピン】だ。しかし巡目と点棒状況が「もう無理しない方がいいんじゃない?」と黒沢に語りかける。

もう終盤に差し掛かっている13巡目。離れたトップ目がラス目のリーチに押すほどの場面ではない。しかし

黒沢は涼しげな顔で【8ピン】を置いた。

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