いや
本田は変わらず踏み込んだ。
今シーズン、強気の姿勢で臨んだからこそ、今のポジションを築けている。
(何をビビっている。1発や2発放銃した程度でその姿勢を変えているようではダメだ。
おあつらえ向きにダントツラス目、俺にはもう失うものはないじゃないか。)
本田の踏み込みに牌も呼応する。
あそこで寿人の仕掛けにひるんでいたら、の3枚が捨て牌で悲しげに並んでいただろう。
ここまで積み上げてきたポイントは決して偶然なんかじゃない。
人よりも踏み込んできた証なのだ。
続く南2局も同様。
11巡目に1枚切れのペンでリーチ!
しかもリーチのみだ。
運がいい。と人は言う。
だが、抽選を受けない者に幸運は訪れない。
2回連続でアガって反撃の狼煙を上げるも、次の一手が及ばずに結局本田はラスを引いた。
本田朋広 -46.7pt 4着
そして2試合目の萩原もラスを引き、雷電が上位5チームの中では引き離されていく結果に。
雷電にとっては手痛い敗戦だったが、光明は見えた。
レギュラーシーズンにおいては日向のような守るスタイルも有効だが、ポストシーズンになれば本田の積極性がさらに光り輝くはずだ。
その点において、本田は変わらなかった。
相手が誰であろうと、どんな劣勢においても。
私は、負けたこの半荘に雷電初のファイナル進出の希望を見た気がしたのだった。
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」