2夜連続の大仕事!
〜鈴木優、大殊勲の
トップラスゲーム
文・千嶋辰治【金曜担当ライター】2025年5月16日
今シーズンの戦いもいよいよ最終日。
ご存知のとおり、最終日はいつもよりも試合開始時間が2時間早い。
そのせいかSNS上では朝からタイムラインが賑やかだった。

やはり興奮の的はファイナル14回戦で鈴木優が手繰り寄せた8,000オールだった。
ここまで3位に甘んじていたチームを一気に優勝争いの戦線に押し上げる大仕事。
その興奮が冷めやらぬ今日、再びパイレーツは第1試合に優を登板させた。

第1試合
東家:黒沢咲(TEAM RAIDEN / 雷電)
南家:浅井堂岐(セガサミーフェニックス)
西家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
北家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)

フェニックスが頭一つ抜け出した状況で始まった最終日。
しかし、この勝負所で登板した堂岐が冴えない。

先行リーチを放った堂岐に対して、たろうが重たい一撃。
堂岐が高め三色のを打ち上げて12,000点を献上。
その後も堂岐には逆風が吹き荒れ、一人だけ点棒が飛んでいく展開に。

ついには終盤に箱割れ。
90ポイント近くあったアドバンテージは消し飛び、雷電以外の3チームがほとんど横並びとなった。
ここで注目は誰がトップを取るのか?
上位3チームはいずれも自分がトップでなければ雷電にトップを預けたい…というのは共通認識。
さらに、堂岐だけはトップが絶望的な点差のため、是が非でも黒沢の逃走劇をサポートしたい。
例えば優が黒沢を逆転すると、パイレーツとフェニックスは順位点差分の40ポイントもの差が開くからだ。
では、それぞれの思惑が交錯する勝負所を振り返りたい。
場面は南3局2本場。ドラは。

トップ目の黒沢と優の差はわずか4,200点。

ここで優にはドラがトイツのチャンス手が入った。
しかし、さらに手が良いのは堂岐。

678のメンツが二色で完成し、マンズの形も上々。
優の親落ちは時間の問題か?
と、思われたのだが、重要なターニングポイントはこの場面。

「一手の緩みも許されない状況」
と、解説の土田浩翔プロにそう言わしめた場面だったが、5巡目に黒沢から放たれたを堂岐はスルーした。
打点は少しでも高いに越したことはないものの、ここでの最重要課題は優のトップ阻止。
土田プロは積極策に出ないことに意外な印象だったようだが…。

堂岐がツモ切ったを優が待ってましたとチー。

さらに、

ツモ切ったを立て続けに優が仕掛けて手が進む。


初めに仕掛けを入れなかった堂岐と、仕掛けていった優。
この二人の僅かな差が、のちに大きな軌道の差を生むこととなった。