目覚めた魔王の全てを消し去る一撃 セミファイナルの幕が開く──【Mリーグ2022-23セミファイナル観戦記4/10】担当記者:江崎しんのすけ

目覚めた魔王、
全てを消し去る一撃
セミファイナルの
幕が開く──

文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2023年4月10日

第1試合

東家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
西家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
北家:二階堂亜樹(EX風林火山)

長かった3週間の休息が終わり、セミファイナルが始まった。

白熱を極めた第一試合に入る前に、改めてセミファイナルのレギュレーションを確認したいと思う。

まずはトータルポイント。
レギュラーシーズン終了時のポイントの半分が持ち越される。

レギュラーシーズンで大量リードを築いたKONAMI・風林火山も、持ちポイントは約300pt。ファイナル進出ボーダーに位置するサクラナイツは-20.7ptとなっている。

そして次が試合数。
昨シーズンより試合数が増え、今シーズンは各チーム20試合ずつ行われ、上位4チームがファイナルに進出。逆を言えば下位2チームがこのステージで姿を消すこととなる。

当然、セミファイナルはレギュラーシーズンと比べて試合数が少ない訳だが、チーム数も減っているため順位を競っているチームとの直接対決の機会も必然的に多くなる。つまり順位変動も起きやすくなる。

そうなると上位2チームも決して安全圏とは言えない。
事実、2021のセミファイナルで敗退したのはレギュラーシーズンで首位だったパイレーツだった。
逆に6位だったサクラナイツが怒涛の追い上げを見せ、勢いそのままに優勝を勝ち取っていた。

3週間後に生き残っている4チームは果たして__
決戦の火ぶたが切って落とされた。

注目が集まった第一試合、東1局からぶちかましてきたのが…

佐々木寿人だ。

他家に早そうな配牌が入っている中、決して良い配牌ではなかった寿人だが…

わずか5巡で七対子のテンパイを入れる!
セミファイナル最初の発声は寿人の声だった。【西】単騎でリーチをかける。

同巡、イーシャンテンになっていた松本だが、リーチの一発目は現物の【7ピン】を切って半歩後退。ソーズのカンチャンが埋まれば押し返せていたかもしれない。

しかし次巡、裏目の【5ピン】を引き【7ピン】を連打。完全に撤退する。

その同巡、亜樹の手牌。

配牌は一番良かった亜樹だが、松本が【7ピン】を連打し瑞原も合わせ打ったことで、欲しかった【4ピン】【7ピン】が場に5枚見えてしまった。

通りそうな【5ピン】【6ピン】を落とし、改めて手を作り直す。

寿人の親リーチが、次々に他家の手を破壊していく。
こうなると結果は見えていた。

【西】がツモられ、寿人の手が開けられる。そして裏ドラは【2ピン】
セミファイナル初戦は、寿人の6,000オールで幕を開けた。

その後も順調に局を進めた寿人だが、大きな加点に成功したのは東4局

【發】が暗刻でドラも2枚ある、攻撃・守備どちらにも適した手が入る。

すぐにドラの【4ソウ】が重なり満貫以上が確定する。【4ソウ】は勿論、【9ピン】【6マン】【8マン】は鳴いて進めたいところ。

直後、上家から絶好の【8マン】が切られる。
当然のチーだが、ストレートに打【9ソウ】とせず、リャンメンを先に固定する【5マン】を選択する。

この選択、【5マン】を暗刻にしたテンパイは逃してしまうが、実はテンパイチャンスはそこまで大きく減ってはいない。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀戦術シリーズ 新刊情報/