【 #神域リーグ2023 第一節第3試合観戦記】戦姫の槍は折れない 朝陽にいな、覚悟と希望の初陣【文 #後藤哲冶 】

戦姫の槍は折れない
朝陽にいな、
覚悟と希望の初陣

3月31日のドラフト会議。
その日の最後に名前を呼ばれたのが、チームグラディウスの朝陽にいなだった。

配信でも何度もコラボした渋川監督の元、腕を振るう事になった朝陽。
指名されたその瞬間朝陽は……

喜びの涙を流していた。

朝陽の神域リーグに懸ける想いは強い。
もちろん、この神域リーグに出場する選手皆、この大会に出たくてドラフトに応募し、そしてアピールをしてきた。
しかしこと朝陽にいなに関しては、その熱量は人一倍だったと思う。

神域関係者に向けたアピール動画の作成、実際に段位戦配信をする量。
どれをとっても、朝陽の本気度をうかがい知るには十分すぎる要素だった。

そうして、朝陽にとって夢にまで見た開幕。

しかしその開幕戦は、厳しい現実と共に迎えることとなる。

2試合目まで終わって、グラディウスはラス2回のスタート。
一番槍を任された天開はことごとく当たり牌を掴み、2戦目を担当した風見も要所で光るものがありつつも、アガリには結びつかなかった。

開幕日の最終戦を任された朝陽。
監督の渋川からは

「チームメイトいじめやがって~って思いっきりやってきていいから」

と背中を押され。

状況は厳しい。けれど関係ない。
夢にまで見た舞台を全力で楽しむべく。
グラディウスの戦姫が初陣へと向かった。

第3試合

東家 桜凛月  (チームゼウス)
南家 咲乃もこ (チームアトラス)
西家 或世イヌ (チームアキレス)
北家 朝陽にいな(チームグラディウス)

東1局

チームアキレスの新メンバー、或世にドラドラ赤の好配牌。
チームでは初心者枠だが、或世はここで抜群のセンスを見せる。
上家の咲乃が切った【6ソウ】に手を止めると。

【赤5ソウ】【6ソウ】【7ソウ】で鳴いて、【1ピン】切ろう」

素晴らしい判断。
これは喰い伸ばしというテクニックで、既にできている【3ソウ】【4ソウ】【5ソウ】のメンツから【5ソウ】【7ソウ】を使ってメンツを作り、【3ソウ】【4ソウ】の両面ターツを残す戦術だ。
これで或世はタンヤオドラドラ赤のイーシャンテン。
早速初心者とは思えない引き出しを見せてくれる。

先制テンパイは咲乃だ。
こちらも高打点の【南】ドラドラリャンメンテンパイ。
チームは1試合目の歌衣が2着、2試合目の勝がトップと絶好調。
ここはその波に乗るべく、勢いよく先制リーチ。

同巡、或世が追い付いた。
狙い通り【2ソウ】を引き入れて【5ピン】【8ピン】待ちのテンパイ。
【2マン】【5マン】を切ればテンパイだが、ここはより外側の牌である【2マン】を切るのがセオリー。

が、或世はここで【5マン】を切ってしまう。
どうしても234でメンツができていると見てしまうと、陥りがちな落とし穴。
そしてなにより結果が厳しい。

【5マン】は咲乃のアガリ牌。
【2マン】なら通っていただけに、これは少し痛い結果に。

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