園田賢と内川幸太郎、揺れる振り子の指し示す先は【Mトーナメント2023/6/12 予選A卓】担当記者:東川亮

最後の【1ソウ】を園田がツモ切ると

「ロン」

「えっ?」

打点こそ3900だが直撃は大きい。前局は内川の放銃を内心喜んでいたという園田だったが、ここは一本取られてしまった。

園田対内川、何度もMリーグで戦った2人。この構図は、最終局まで続くことになる。

園田と内川の差は、第2試合開始前の段階で38.5ポイント内川がリードしていた。オーラスの段階で園田はトップ目、このまま逃げ切れば園田の勝ちだが、内川が親番を流局テンパイ、2000は2100オールとアガってつないでいる。
園田としては、そろそろ試合を終わらせたい南4局2本場【白】暗刻の手が入った。こうなれば全力でアガリに行けるし、もし相手の攻撃が来ても【白】で守備に回ることができる。

【4ピン】をポンしてテンパイ。あとはどこまで押し切れるか。

【4ピン】を打った水崎は、逆転トップを取れば突破という状況だった。そのためには三倍満が必要というなかで四暗刻を目指していたが、園田の3フーロを受けて、オリた。

局が続いたとしても、次に条件をクリアできる手が入る確率は限りなく低い。それでも、今放銃すれば可能性はゼロになってしまう。このオリには、厳しい状況でも最後まであがこうとする水崎の矜持を見た気がした。

HIROは道中で何度かテンパイが取れたものの、内川がテンパイしなければ勝ち上がりという状況につき、スルー。最終盤では内川をテンパイさせないよう封殺する方針にシフトした。

HIROの対応もあって、内川は最後までテンパイできず。

流局でも勝ち上がりだった園田がハイテイ手番で力強く【3ソウ】をツモ、戦いに終止符が打たれた。

最終結果はこちら。HIROがさすがの勝負強さを見せ、園田も難しい戦いを強いられるなかで、しっかりとチャンスをものにして勝ち上がったところはさすがだ。
内川は少し不運なところもあり、水崎は選択がかみ合わない局面が結果に響いてしまった形だった。

開幕戦から白熱した戦いとなったMトーナメント。
負ければ終わり、2位まで勝ち上がりというレギュレーションは、Mリーグとはまた違った興奮を味わわせてくれるだろう。ぜひ、今後の対局にもご期待いただきたい。

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