やられたらやり返す、倍満だ 勝利に飢えた野獣、 鈴木大介が牙を向く【Mリーグ2023-24観戦記 10/2】担当記者 #徳岡明信

やられたらやり返す、倍満だ
勝利に飢えた野獣、
鈴木大介が牙を向く

文・徳岡明信【月曜担当ライター】2023年10月3日

早いもので2023年も残り3か月となる。
段々と地獄の様な暑さも和らいできて気づけばすぐに冬が来て寒くなっていくのだろう。

しかし、残暑もびっくりの熱い戦いが今日もMリーグでは行われた。

自身3戦目の登板となる鈴木大介。
ここ2戦は
3着4着と振るわぬ成績が続いてしまったが、
大介らしさ全開の派手な麻雀で大いに湧かしてくれた。
そろそろ話題だけでは無く結果も欲しい。
そう意気込んで彼は今日も腕を振っていく。

大介と同じく今季より参戦している渡辺太も3戦目の登板だ。
内容よりも結果を追求するスタイルの彼も、今度こそはの想いで卓に付く。

ドリブンズOBの村上淳が解説席で見守る中、結果を出す事だけに集中して期待値をひたすら追っていく。

麻雀のスタイルにおいて正反対の2人が相まみえる注目のカードを是非楽しんで頂きたい。

1回戦
東家：渡辺太　(赤坂ドリブンズ)
南家：鈴木大介　(BEAST Japanext)
西家：日向藍子　(渋谷ABEMAS)
北家：堀慎吾　　(KADOKAWAサクラナイツ）

凶暴

起家の太が4000オールのアガリで先行する展開で始まったこの半荘、

東2局2本場、親の大介の先制リーチ

ド急所のドラ表示牌のから埋めたとなればリーチ発声もいつも以上に気合が入る。
234の三色が確定、ツモれば6000オールからの超勝負手だ。

今日の野獣は、ひと際牙を鋭く尖らせ獲物を仕留めにかかる。

この親リーチに対しての太の押し引きが非常に興味深かった。

10巡目
を切ればペンのテンパイを取れるが、ここではのノーチャンスになっているのトイツ落としを選択。

出ていくが残っている筋の本数からして濃度もそれなりに高くなっているのと、待ちの弱さから親とのめくり合いでは分が悪い。
この手でを切ってテンパイを取るのは局収支が見合わないとの判断だ。

次巡、を引き入れ一度は安全にテンパイを組んだもののすぐに持ってきたで手が止まる。

大介の手がリャンメン待ちだとすると、残り筋はかかくらいしか残っていない。

愚形だとこのはシャンポンやカンチャン、ペンチャンと様々やパターンが残っており、大介の捨牌が上目の牌が多く切られており、で放銃すると下目の三色が出てきてもおかしくないと読める。

更にポイントとなるのが、日向の手出し切りだ。
日向が押しているのでこちらのケアもしなくてはならない。

日向にも通っていないこのはの手から切る価値無しと判断。
太はを切ってテンパイを外した。

現には日向のロン牌であった。
現物待ちのピンフドラ3の強烈なダマテン。
これに飛び込むと開局の4000オールが水の泡となるところであった。

評判通りの正確で繊細な押し引きを魅せつける太。
大介にはワンチャンスかつ筋のくらいならと押してしまいそうではあるが、一切甘えない選択は見事の一言に尽きる。