屈辱の四暗刻単騎
放銃から1年、
内川幸太郎は勝って
未来を切り開く
文・東川亮【木曜担当ライター】2021年2月25日
過去は、変えられない。
ましてやその一打は、大和証券Mリーグの歴史に残った。
「いいねえ!」
確かに、大和証券グループの投資取引アプリ「CONNECT」はいいものだ。
しかし、たとえチームのためだったとしても。
結果、CMに起用されたとしても。
麻雀打ちとして、役満放銃による敗戦が「いい」わけがない。
敗れた過去は、変えられない。
できるのは今を戦い、勝って未来を切り開くことだけだ。
2/25。
1年前の悪夢を振り払うため、内川幸太郎は同じ第2回戦、同じ西家に座った。
2月25日 第2回戦
東家:近藤誠一(セガサミーフェニックス)
西家:内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
東1局。
内川はここからを切る。
一盃口こそ消えるもののは2枚切れ、の二度受けも解消でき、形はかなりすっきりと整った。
や安パイ候補のなどを切り飛ばして目いっぱいに受けると、を引き入れて納得の待ちリーチ。
これをツモって1300-2600、まずはリードを奪う。
東2局、親の村上がをチーすると、マンズのホンイツが狙えそうな手ではあったがすぐに守備モードへ移行。
村上の手はタンヤオドラ3赤赤という強烈な形だったが、アガリには結びつかず。
その後は他者の早いアガリやリーチで局が進み、東4局。
内川の手は、東1局以来となるアガれそうな手格好に。
を引いて選択。
残せば受け入れは多少増えるものの、は自身の目から5枚見えな上、自分でを切っているフリテン受け。
そしては親の現物である。
しかし内川は、を残してを切った。
これはが自身の目から4枚見えており、全員がソーズの上を早めに切っていることから、が山に残っていると読んだか。
親の滝沢がを切っており、も安パイとして使えそうだということもあっただろう。
そして、狙い通りの引きで先制リーチ。
追っかけリーチの村上からを捉えると、僥倖の裏3で8000のアガリに。
これで内川がかなりのリードを奪った。
その後は村上から滝沢への放銃が続き、南3局。