「先切り十段」伊達男:
醍醐が魅せる、先切りの極致
2023年6月19日F卓 文・渡邉浩史郎
”出突っ張り”
演劇などで、一人の役者がすべての出し物や幕、あるいは一幕中にずっと出演すること。
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本日のMトーナメント予選F卓。まさにこの週末ずっと出突っ張りだった男が現れた。
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最高位戦日本プロ麻雀協会が誇る一雄、醍醐大。
BEAST Japanextオーディション解説・最強戦解説とここ数日の激闘大逆転の舞台、そして麻雀の恐ろしさをだれよりも間近で見てきた。
そんな醍醐がMの名を背負って戦う初の舞台だが、既にこの時点で熱心な麻雀番組視聴者は気が付いているだろう。
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こちらは事前インタビューの時の醍醐。先ほどの写真と見比べると……
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そう、腕毛を処理してきているのである。
醍醐の無骨なダンディズムを象徴する特徴であっただけに、この変化はタイムラインを大いに騒がせていた。
Mリーグというこれまでとは比べ物にならない人数が見る舞台への配慮。ユニフォームスタイルへの対応は、醍醐のMリーグへの本気度を表していると言えよう。
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装備をしっかりと整えて、始まった醍醐の大冒険。
「醍醐ってどんな麻雀を打つ人なの?」
そんな初めて見る人への疑問を解消する、あいさつ代わりの選択が1戦目【東1局】から垣間見える。
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まずはこのイーシャンテンからペン払い。より良形を作りに行く打ち筋だ。
払うのはから。安全度なら
から払うため、これは
を引いての234の三色や裏目の
引きでのフリテン両面残しを見た形。
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払い切っての聴牌はのシャンポン。役ありなので聴牌を取って、
の横伸び変化を見る人が多そうだが……?
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醍醐の選択は打。自身が
を切っており、
が場に二枚切れ。マンズの変化が乏しい以上、
からの変化が見たいという判断。確かにソウズの上は全員が程よく切っていて悪くなさそうだ。
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そこに瑞原からリーチが来る、この待ちが。
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そう! これは醍醐が前巡先に逃がした牌!
「先切り十段」それこそが醍醐の異名。時に効率を落とす一打でも、後の安全度や和了り率を上げる。
いきなりその片鱗を見ることができた。
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【東2局1本場】、この第一打もおしゃれである。
を切っての両面固定で浅く広く持つ事はせず、
と落とし切って手牌に1枚分のスペースを設ける。
5ブロック打法への意識が伺えよう。
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門前特化・打点特化型かといえばそうでもない。この二枚目のをポンして……
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ドラの打ち。
で和了りを拾いに行く。
この大舞台でもゆったりと自分の打ち方を貫く醍醐であったが……
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一戦目は瑞原が走り抜ける! 東場の親番で4000オールを皮切りに、「ゴリラ麻雀」と自ら称するまっすぐリーチ戦法でツモリ上げ、持ち点は40000点を超える。
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一戦目を終えて、醍醐は放銃なしの2着となった。
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1着 瑞原 +66.1
2着 醍醐 +8.8
3着 勝又 -20.9
4着 奈良 -54.0