まさに「最速」最強、萩原の大物手を封殺しての価値ある500・1000のツモ。難しい副露判断を捌き切った。
そして迎えた一戦目オーラス。マンガンツモがギリギリ届かない点差だが、比較的リーチ棒が出やすい状況を考えるとリーチ棒+マンガンツモでトップをまくりに行きたいところだ。
配牌は決していいとは言えないが打点は明確に見える。リーチ棒が出るまでにどこまで仕上げられるかだが……
わずか三巡。瑠美がトップを確定するべく、の先制リーチに踏み切った。
多井の形はまだこのレベル。しかしここはリーチに通っているではなくに手をかけた。瑠美からの5200直撃の芽が出たことで、むしろ好都合と感じたか。自身の手牌都合で打っている。
普段の多井からは考えられない向聴数からの無筋プッシュ!考えとしては最強戦決勝オーラスに近しいものだろう。それほどトップが偉く、この点差の2着と3着の違いに価値はないと考えているのだ。
しかしこれが瑠美に捕まる。浅井とも萩原ともわずかな差での3着となった。
一戦目結果
瑠美 +56.0pt
堂岐 +4.9pt
多井 -16.7pt
萩原 -44.2pt
こうなると二戦目で多井の勝ち上がりパターンは大きく四つ。
・瑠美が連勝で浅井が4着の2着
・瑠美が連勝で浅井が3着だが1500点差以上つけた2着
・瑠美が連勝で萩原が2着だが7400点差以内に抑えた3着
・トップ
ちなみに浅井の現実的な勝ち上がりパターンは
・瑠美が連勝での2着
・瑠美が連勝で萩原が2着だが29000点差以内に抑えた3着
・瑠美が連勝で萩原が2着だが9000点差以内・多井と1500点差以内に抑えた4着
・瑠美が連勝で多井が2着だが1500点差以内に抑えた3着
・瑠美がラス、瑠美と11000点差以上つけた2着
・トップ
ちなみにこれまでのMトナメでの連勝は、先の着順操作で通過できる影響もあってかわずか一回。
そう考えると浅井と多井の差は、実質瑠美を捲れる現実的な可能性があるか否かにあるといえよう。
二戦目、トップを取りにやってきた多井。その戦略は……
まずはいつも通りとも言える。この手を七対子に決める一打。
第一打役牌からと手出しした親の浅井・第一打Wの瑠美・さほど時間をかけず二枚切れ安牌のをツモ切った萩原と、三者に速度感を感じての対応だろうか。
わずか数巡。あの手が待ち候補を抱えた優秀な七対子イーシャンテンに劇的ビフォーアフター。実ることはなかったが、多井節を感じさせる一局。多井として勝つための、この繊細な受けと、そして……
圧倒的スター性!急に来たダブルリーチ赤赤の大勝負手を……
ツモって裏1!跳満で一気にトップ目に!
【東4局】、さらに和了ればダメ押しのマンガン確定先制親リーチをぶつける!
これが山に6枚あったが……
相手もさるもの!追いついた浅井が多井に当たり牌を掴ませてマンガンの和了り。再び世界は混迷に包まれた。
全員が超現実的な通過条件を抱えたまま、舞台は【南3局1本場】に駒を進める。
【南3局1本場】
現状通過は瑠美と多井だが、浅井は二着になれば瑠美との点差条件を満たしているため、その差は微々たるもの。
浅井がから仕掛けて和了りに向かう。