自らアガって決着をつけた。
東場で見せた、決め手を逃さない構想力。
リードしたあとでの、場を見て安全牌を確保する守備力。
それらを融合させた、高くなるルートだけを残してのスリム進行。
去年までのいい部分はそのままに、さらに伊達の麻雀に厚みが増しているのを感じる半荘であった。
今季も、
恒例のウイニング水飲みが、幾度となく見られることだろう。
またしても強くなった印象の強い伊達だが、その原因はなんだろうか。
インタビューでは、
寿人に代わってのチーム初戦の登板、ということで、ものすごく気合いが入っていた旨を述べていた。
そして、
「昨年の後半戦はプレッシャーで内容があまりよくなかった」
ため、心づくり、体力づくりに励んだとも話していた。
振り返れば、
昨季はMVPに輝きながらも、ファイナルの最終登板では本当に悔しさをにじませていた伊達。
そこからの、後悔、葛藤、そして、鍛錬、成長。
これらが、今季の開幕戦トップを生んだのではないだろうか。
昨季の自身最終戦と今季のチーム初戦。
点と点が線でつながった。
いや、昨年度MVPに甘んじなかった、彼女が自分で「つなげた」のだ。
この日、キュッと上がっていた口角は、鍛えてきたメンタルの証。
「今年も伊達の年、そして、今年こそKONAMIの年になる」
そんな予感が脳裏を駆け抜けた、見事な伊達の快勝であった。
京大法学部卒の元塾講師。オンライン麻雀「天鳳」では全国ランキング1位。「雀魂」では4人打ち最高位の魂天に到達。最近は、YouTubeでの麻雀講義や実況プレイ、戦術note執筆、そして牌譜添削指導に力を入れている、麻雀界では知る人ぞ知る異才。「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」の著者であり、元Mリーガー朝倉康心プロの実兄。x:@getawonarashite