しかしそうではなく、野に蔓延るしぶとく、しつこい、野草のような強者としてこういう打ち手がいること、
そしてその大介が並み居るMリーガーたちに立ち向かう、
これはエンターテイメントとしては最高のカンフル剤だと思う。
不勉強で私の予想が間違っていたのかもしれないが、将棋棋士というのはもっと緻密で合理的な麻雀を好むのかと思ったが、
将棋ももちろん人間同士の戦いで、それぞれの理、個性がぶつかり合うものなのだろう。
俳優だったり、モデルだったり、声優だったり、アイドルだったり、
色んな職種の世界から、麻雀を愛してこの勝負の舞台に来てくれた選手たちがいる。
もちろん昔からの純然たる麻雀ファンの方の中には、昔からこの業界を支えてきた麻雀プロたちの立場や功績を無下にしたくないという思いの人もいるだろう。
それは有難い、たいへん嬉しいことではあるのだが──、
麻雀は誰のものでもない、そういう時代のフェーズになっている。
皮肉にも、昭和よりの使者鈴木大介がそんな次世代のMリーグを想像させるきっかけになっているのかもしれない。
麻雀が好きで、強ければどんな人生を送ってきた人でもいい。
本来麻雀に、肩書きなど関係ないのだ。
生粋の麻雀プロたちはそれを迎え撃ち、黒船たちは自身の今日までの人生をぶつけて戦う。
私たちはその双方にそれぞれの思いを乗せて、見守ればよい。
それが、自由なこれからの麻雀なのではないだろうか。
編集部からのお知らせ
【須田良規のMリーグ2023-24セレクト】は著者多忙のため、10月から休載いたします。楽しみにご覧いただいている皆様、大変申し訳ありません。連載終了ではなく、執筆の体制を整えるための調整期間となります
今後も【須田良規のMリーグ2023-24セレクト】への応援を、よろしくお願い申し上げます。
日本プロ麻雀協会1期生。雀王戦A1リーグ所属。
麻雀コラムニスト。麻雀漫画原作者。「東大を出たけれど」など著書多数。
東大を出たけれどovertime (1) 電子・書籍ともに好評発売中
Twitter:@Suda_Yoshiki