実は南3局1本場、東城にまたしても戦えそうな手牌が入っていた。
しかし、持ってきたのは優からの先制リーチに、通っていない。
行ってしまえばいい。どうせラスなんだから、押すしかないだろ。
そんな非情な声が聞こえてきそうな中で。
東城が選んだのは、を中抜いての、オリだった。
ドラが、萬子の上が全く通っていないどころか、河に全く姿を見せない状況で。
仮に自分がテンパイに辿り着いたところで、この2種類が通るのか?
そして仮に通ったとして、細い糸を通して、8000点優からアガったとして、結局オーラス東城に残された着順アップの条件は満貫ツモでは足りないときた。
なら、ここは煮えたぎるこの感情を抑え込んで、受け入れよう。
そうだ。
たとえここで、今日のトップを掴めなくとも。
――私は明日の勝利を、諦めない。
最高位戦日本プロ麻雀協会47期前期入会。麻雀プロ兼作家。
麻雀の面白さと、リアルな熱量を多くの人に伝えるため幅広く活動中。
Twitter:@Kotetsu_0924
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